全米初のペットボトル水販売禁止!

 この五月、アメリカ、マサチューセッツ州コンコルド市議会で、すべてのペットボトル水の販売を禁止する法律が通過したとのニュースが入りました。その他の容器(ボトル入りソーダ水)などには、1本につき10セントのデポジットが徴収されるようです。実施は来年1月からですが、これは全米初の快挙。下のサイトには写真や図などもあるので覗いて下さい。
  http://www.treehugger.com/files/2010/05/concord_ma_to_be_first_us_town_to_ban_bottled_water.php
 この法案を通す原動力となったのは82歳のジーン・ヒルさん。彼女はプラボトルがいかに危険で、処分場をひっぱくさせ、そして海洋と魚類を汚染するかなどを語って地域住民や市職員を説得したそうです。単なる「リサイクルおばあちゃん」ではなく、「これで環境不正義が少しは正される」というから、筋金入りの活動家ですね・・・ハア。
 このニュースはたくさんの書き込みがあり、いかに多くの人がこれを歓迎しているかわかります。アメリカではもう100以上の都市で、プラスチック製品の処理に税金を使うのを法で禁じているとか。プラ製品を徹底して公費で処理(分別して―焼却)している日本とえらい違いです。
 でも、容器業界はおそらく不服審査の申し立てをすることでしょう。業界団体の「国際ボトル飲料連合」は、「非常に健康的で、安全で、便利な」ボトル飲料を飲めないのは、消費者の利益に反するとか述べているようですが、NRDC(自然保護委員会)のリポートによれば、ボトル水を10週間置くとフタレート(ホルモン撹乱物質)が溶け出す「兆し」があるとか。ま、売る方は決してそんな危険性を正直に言ったりしませんから、ペットボトル依存症の人は気をつけないと。
 それにしても絶妙のタイミングでした。メキシコ湾海底油田(ディープウオーター・ホライゾン)の原油流出の影響は、全世界に広がるはずで、現在の、過度の石油依存の時代はそろそろ終わりになるはずだからです。焼却炉が無用の長物になるのも、遠くありません。
2010・5・18

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/