事故調委員が東電からカネをもらっていた

  原子力規制委員長によれば、フクイチ地価貯水槽の汚染水漏れは、「想定外」だったそうな。そういえば、東北大地震も津波も「想定外」だったっけ。最悪の事態が予測できなければ、それへの対処ができないのは当たり前。私たちはいつまで、この犯罪的無責任集団(原発推進の政治家も企業も学者も、全部!)を養い続けなければならないのでしょうか。

汚染水漏れ「全く予想外」=田中規制委員長、批判に反論も

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は10日の記者会見で、東京電力福島第1原発の地下貯水槽から汚染水が漏れた問題について、「全く予想外。たまたまかと思ったら(漏れた貯水槽が)二つも三つもなので、原因を明確にしていく必要がある」と述べた。汚染水漏れが判明した当初、原子力規制庁が別の貯水槽に移送するよう東電に指示した判断を記者が誤りと指摘すると、「他に持って行きようがないから」と反論した。また、立て続けにトラブルが起きている現状について「誰でもそうだが、車をぶつけたりすると慌ててさらに大きな事故を起こしたりする。多分、東電の現場もそういう状況」と推測した。(2013/04/10-17:06http://www.jiji.com/jc/zc?k=201304/2013041000673&rel=y&g=soc

 この日、田中氏規制庁の定例会合で、田中氏は「非常に深刻で大変遺憾」と述べたようですが、http://www.jiji.com/jc/zc?k=201304/2013041000413&rel=y&g=soc それ以上の案はなく、時間かせぎの感が・・・だって、彼らも原子力マフィアに買われているのだから。

福島事故検証の教授に資金=東電、共同研究で425万円―「人選見直さず」・規制委 (2013/04/12-22:06)東京電力福島第1原発事故の原因検証を行う原子力規制委員会の専門家検討会のメンバーに選ばれた北海道大の奈良林直教授が、東電から共同研究費名目で425万円余りを受領していたことが12日、分かった。規制委がホームページ上で同日までに公開した。規制委事務局の原子力規制庁は「情報公開基準にのっとってオープンにした。共同研究費の受領は欠格条項には該当せず、人選を見直す考えはない」としているhttp://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013041200981&j4

 「欠格条項へ該当しない」たって、加害者から研究費を支給された学者が、その加害者が起こした事故を調査するなんて、社会的、倫理的におかしい。不適正かつ不当。すぐクビにしないと。…なお、欠格条項については、Wikiにこうあります。

「原子力規制委員会は委員長及び委員4人をもって組織される(6条1項)。委員長及び委員は、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する(法7条1項)。また、委員長はその任免を天皇が認証する認証官である(同条2項)。委員長及び委員の任期は5年で、再任されることができる(法8条1項2項)。一般的な欠格事項のほか、「原子力にかかる製錬、加工、貯蔵、再処理もしくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせる者、もしくは核原料物質、もしくは核燃料物質の使用を行う者、またはこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む)、もしくはこれらの者の使用人その他の従業者」に該当する者は委員長または委員となることができない(法7条7項)」

 ところが、フタをあけてみると、規制委員会メンバーはほとんど原子力事業の関係者でした。原子力規制委員会初会見~欠格条項に該当か? – YouTube
 彼らなら原発体制を維持できると判断されて指名となったのでしょうが、「人格が高潔」なら、オファーがあっても断るでしょう? これじゃあ、本質に切り込むどころじゃない。

 北大の奈良林氏は、東電からの425万円(試験装置、スパコン使用料)だけでなく、日本原子力発電(敦賀原発を所有)から寄付金45万円(10年度)、原子燃料工業(原発用燃料製造)から研究費27万円を受け取っていました。(共同通信)http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20130412000145 原発政策にクビまでどっぷり。
 海外の学者にも声をかけるなどし、行政から完全に独立した第三者機関を作らなきゃだめだよ。そうしないと、彼らは原発マフィアの意を受けて、そのうち「薄めれば安全」と、海洋放出を言い出しかねないから。2013.4.13

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/