ベトナム風物

 「ジカ」の続きがなぜか「下書き」から消えていたので(操作ミスとは思えない)、気を取り直して、今日はちょっとだけベトナム南部の風物を紹介します。
 今回はテト(旧正月)の時期だったので、メコン川の水上マーケットはお休みでしたが、その代わり、静かですばらしいデルタの風景を満喫しました。ミトーでは、メコンは大きくは9つに分流し、大きな流れにはたくさん島があり、それぞれに数百~数万人の人が生活しています。私たちはエンジン付きのボートで、幅3キロの流れを横切り、小さいボートに乗り換えて、島の水路に分け入りました。水路の両側は深いジャングル。そこかしこから鳥のさえずりが響きわたり、ずうっと滝のような音がしていました。ちょうど干潮時で、土地を潤していた水が川へと戻る音だったんですね。


 メコンの川の赤い色は、汚れているわけではなく、この地域の赤土が溶け込んでいるからです(中国の黄河が黄土高原の土のせいで黄色いのと同じ)。人々はこの水で洗濯したり、掃除したり、水浴びしたりしていました。雨季になると川の色はもっと赤くなるそう。海水と淡水が入れ替わる汽水域にはマングローブなど独特の植物が多く見られますが、上の写真の水路を囲むように生えているのはウオーター・ココナツ(ニッパ椰子)。干満の差が激しく、満潮の時は水が一メートルほどもあがるとか。


 橋が少ない代わりにいろんな「渡し舟」が活躍していました。通学も通勤も買い物もみんな船。ガイドによると「結婚式も葬式もみな川の上でやるんだよ」。
 上の写真は観光客用のボートですが、下りは流れに乗りノーエンジンでも大丈夫でした。船の両脇に飾られた菊の花は、日本の門松と同じ新年を祝うものです。黄色が好まれるようで街には梅に似たホアメイ、マリーゴールドやひまわりなどの花市があちこちに立っていました。気温は連日33℃ほど・・・さあ、明日は寒い日本に帰るぞ。2016.2.16

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/