エコーで胎児の発育悪化

 ちょっと言っときますが、私はエコー検査の絶対反対派ではありません。骨折や大人の病気には有益でしょう。でも、胎児エコーは避けるべきだと確信を持つにいたりました。日本ではこれを危険視する声はまず見当たりませんが、欧米ではいろいろ問題視されているからです。
 まず、イギリスでは早くも1993年に「超音波検査は胎児に障害を与えるかもしれない」という記事が出ています(インデペンダント紙)。中身はおおむね次の通り。
 「妊娠中に何回もエコー検査を受けると、胎児の発育を阻害し、生まれた子どもも小さくなる可能性があることが、オーストラリアの約3千人の女性の調査でわかった。ランセット(医学雑誌)に発表されたこの研究は、エコー検査について、さらなる調査が必要なことを示すものだ。著名な産科医は、『出生前のエコー検査そのものがもはや絶対安全とは言えない』と語っている。エコー検査は広く使用されているが、医療機関での大規模な対象調査は行われたことがない。今回の調査は、パースのキング・エドワード病院で、妊娠18週、24週、28週、34週、38週にエコーを受けた1415人と、18週目に1回だけ検査を受けた1419人を対象に行われた。その結果何回もエコーを受けた群では、明らかに子宮内の胎児の発育が悪かった」
 リポートの結論には、『(結果は)まったく偶然の可能性もあるが、同時に、複数回のエコー検査は胎児の成長に影響を与える可能性もあることを示している』と書かれているそうです。おそらく、学界や業界に気を使ったのでしょうが、対象者の数を考えると、「偶然」とは言い切れません。問題は、その後、このような研究がひきつづいて行われなかったことです。多分、そんな研究には金を出さず、研究者に圧力をかけるなどして問題を闇に葬ったのでしょう。よくある構図ですが、その延長線上に現在の妊娠医療があるとしたら、かなり問題は深刻です。
2010.11.13
(参考) 
http://www.independent.co.uk/news/uk/ultrasound-may-harm-foetuses-1509275.html

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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