時とともにGMO食物の危険性が明らかになり、世界中で反・GMOの嵐が巻き起こっています。それを受けて、ロシアの国会議員は、ついにGMOを市場から締め出すための法案を上程しました。多くのメディアが伝えていますが、最大のGMO輸入国・日本ではどうかな。
「GMO生産者はテロリストとして罰せられる」
14日、議会に上程された法案は、既存のGMO規制法やその他関連法を改正し、有害GMOの生産者は、個人であれ企業であれ、刑事罰が加えられるようにするというもの。これら「有害バイオテクノロジー製品」は、現在の法体制では適正にコントロールすることができないため、懲罰を導入するということです。
法案提出者の一人、議会農業委員会のキリル・チェルカソフは、「加害者(企業)が、多くの人々に害をもたらすことを知りながら、安全性が確認されていないGMOをロシアに導入するという行為は、テロリストに例えられる」と語ったというのだから徹底しています。
「テロが行われ、それで負傷するのはごく少数だが、GMOは非常に多くの人々を害し、その結果はより深刻だ。その犯罪に相応する懲罰を加えなければならない」
ロシア刑法では、テロへの刑罰は禁固15年間から終身刑。法案は、軽微な違法行為にも罰金を課すことにしており、例えば、GMOによる環境汚染事件の報告を怠った場合、行政法でGMO2万ルーブル(560ドル)までの罰金だそうです。
実は、ロシアはWTO加盟以来、GMOの輸入と遺伝子組み換え種子の承認は時間の問題とされてきました。しかし、GMOに懐疑的だったのがロシア議会。それが今年4月の、メドべジェフ首相の、GMOの安全性を確認できる適正な基礎的研究ができていないため、GMO解禁を延期する、という発表announcedにつながったのです。またプーチン大統領も、「ロシアの国民をGMOから守らなければならない。ロシアには土地はたくさんあるし、有機農業で行ける。GMOが好きな国はそうすればいい」と述べています。Vladimir Putin: Russia Must Protect Its Citizens from GMOs …。
この法案には批判もあります。まず、GMO生産者のモンサントやカーギルがGMOの有害性、あるいは「GMOと健康被害・環境汚染」を認めるはずはないということ。でも、「食品」に限れば、なんとかクリアできるんじゃないかな。問題は、この法案が、GMO作物を用いた繊維・衣料製品や、医薬品をカバーしていないという点です。…ワクチン問題を追っていて、GMOが医薬業界に入り込んでいることは知っていましたが、下の記事の最後、ロシア穀物労働組合のアレクサンドル・コルブート氏の言葉はぞっとする「現実」を語っています。http://rt.com/news/159188-russia-gmo-terrorist-bill/
「グローバル製薬企業は、食品業界よりはるかに分野でGMOを使用している。その場合、誰が罰せられるのか、が問題だ。病人を治療する薬剤を生産した者か、その生産者を取り締まろうとする人々か?」
GMO薬剤による治療の阻止することが傷害罪になる、という考えのようですが、その前に、GMOの医療利用について、人々はまったく知らされていないんじゃないかな。ロシア政府もそこまでは手がまわらないのだと思います。
日本? まずラベリングから始めないと。0.9%以上のGMOを含む製品にはすべてその旨の表示を義務付ける、と。2014.5.23