侵略される女子スポーツ①女子ボクシングの「男性参加」

パリオリンピックの女子ボクシングに、男性DNAを持つ選手二人が、「女性」として出場し、その強さで相手を圧倒したことが世界的な波紋を広げています。・・・なぜこんなことが起きるのか?LGBT問題を追及中の山本にはピンと来るものがありました。LGBT仕掛け人のグローバリストは、水泳会のトランス・スターに仕立てる予定だった、リア・トーマスの失敗を挽回するつもりなのです。

「生物学的男性」、女子ボクシングに出場

この件で山本が最初に目にしたのは、下の写真です…これがすべてを物語っている。

泣きじゃくる女性選手の肩に手を回そうとしている、笑みを浮かべた大きな男性(写真を見てそう思った。胸のふくらみゼロ)。彼こそ、わずか46秒でイタリアのカリニ選手の闘志を奪い去った、アルジェリアのケリフ選手だったのです。試合を棄権したカリニ選手は、ケリフとの握手さえ拒み、リング上で涙ながらに「これは不公正よ」と言い、試合後には「相手は生物学的男性だった」とも述べたそう。

この件に関するメディア報道はおおむねこんな↓感じ。

【パリ五輪】ボクシング女子、選手の性別が議論に 相手が46秒で棄権

2024年8月2日https://www.bbc.com/japanese/articles/c4ngn82wgxpo パリ・オリンピック(五輪)で1日、ボクシング女子66キロ級の2回戦が行われ、アルジェリアのイマネ・ケリフ選手とイタリアのアンジェラ・カリニ選手が対戦した。試合は開始46秒でカリニ選手が棄権し、ケリフ選手が勝利した。ケリフ選手は、昨年の女子ボクシング世界選手権で、国際ボクシング協会(IBA)の資格基準を満たせず、失格となった2選手のうちの1人。国際オリンピック委員会(IOC)は、昨年の世界選手権でウェルター級のケリフ選手が失格となったのは、男性ホルモンの一種であるテストステロンの上昇によるものだったと述べた・・・(以下略)

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アルジェリアのケリフ選手と、中国・台湾のリン選手の「男性疑惑」は今回初めて出て来たわけではなく、2022年(イスタンブール)と、2023年(ニューデリー)の世界選手権で、女子選手として資格をはく奪された前歴がありました。しかし二人はーというより、それぞれの政府はーそれでもめげず、パリオリンピックに出場申請。すると不思議。IOCは、二人の資格は「オリンピック出場規制に合っている」として、出場を許したのです。IOCの「規制」とは、基本的にパスポート記載の性別をそのまま当てはめるだけで、独自の「テストステロン検査」は行っていません。それ以前に、男女の性別テストや男性ホルモンの基準値も決めておらず、今後も決める予定はないでしょう。「生物学的男性」を女子ボクシングに出場させたのは、確信犯的行為だったのです。

カリニ選手は試合後、「対戦相手は生物学的男性だった」と述べた。

命に係わる危険な、「フルコンタクト」スポ0つ

対戦前のカリニ選手に対し、コーチ初め多くの人が「戦わないで。相手は男だ。あなたにとって危険だ」と止めようとしたけれど、カリニは戦うことを選んだ、と報道されています。https://news.yahoo.co.jp/articles/a7242ae43be2d2545c638699b30cec653d8e287c

でも彼女は「IOCが決めたルールに従う」と、戦いに臨んだのです…けなげというより、格闘家らしい傲慢と無知を感じさせる言葉ですが・・・そして、試合後、彼女の発言は一変しました。BBCスポーツのインタビューに、「鼻がとても痛かった。これは一生に一度の試合だったかもしれなかったが、私は自分の命を守ろうと思った」「試合をすることも打撃を受けることも恐れていなかったが、今回は、この試合を終わらせた。なぜなら、私は続けられなかったから」などと答えています。

  他のスポーツならともかく、力を抑制せず相手を攻撃するスポーツは、「コンタクトスポーツ」と呼ばれ、極めて危険性が高いことはよく知られています。中でも、全力で相手に衝撃を与えるボクシングやレスリングなど「フルコンタクト」スポーツは、肢体衝突を伴う格闘技であり、命を失う危険性もあります。だからヘッドギアやマウスピースで頭部や顔面を保護しなければなりません(なお、サッカーやラグビーなど相手の身体を攻撃するわけではないスポーツは「リミテッドコンタクト」、ラケットを使ったりコートを分けたりして行うスポーツは「ノンコンタクトスポーツ」と言われる)。

「フルコンタクト」では、男性と女性では体格や身体能力の差が歴然としていることから、男女別に行われるのが常識です。なぜなら、たとえ男女の体重が同じでも、筋肉量、瞬発力、打撃力、そして衝撃度などは比較にならないほど大きいため、男女別で行わない限り、選手の安全は守れないからです。今回、カリニ選手は、ケリフに浴びせられたわずか数発で、男性相手のスパークリングとはわけが違うことを瞬時に理解し、身の危険を感じて棄権したのでしょう…。

また、中国・台湾のリン選手も体格と長いリーチで相手を圧倒し判定で勝利しました。

IOCとメディア主導のミスインフォメーション

今回の件で、メディアとSNSには山のような情報が流れていますが、いつものように、そこには誤導と虚偽報道があることにご注意。まず①「これはトランスジェンダーの問題ではない」というIOCの主張は、逆に、彼らのトランスジェンダーへの親和性を表しています。まともな第三者なら、確かめようがないことを自分で主張したりしません。また②「ケリフは性染色体異常の女性だ」というのは、明らかに特定の情報源から出た「ひっかけ」情報で、これはIOCの「二人は被害者」という主張を受け入れる役に立つものです。

問題は、③「二人のテストステロンの検査値が高かった」という、IOCやメディアがせっせと流している情報。これが重要なのは、前述通り、パリはこのテストを行っていないから。つまり、IOCはこのテストを行ったのがIBAだと示唆し、そしてそのIBAの検査を「恣意的で信頼できない」と非難しているのです。つまり、IOCにとって、テストステロン報道はOKだけど、DNA検査は流すな、ということのようです。なぜなら前者はごまかしの余地はありますが、後者は決定的な男女を分ける証拠となるからでしょう。

今後、③の情報を元に、悪いのはIBAで、彼らが間違った検査をしたため二人は失格となった。しかし二人は②の通り、生物学的女性だ、なので、①トランスジェンダー同様に、女子スポーツでも彼らを受け入れよ、という声につなげてゆくつもりなのでしょう。

・・・なので、事実を確認するため、IBAが出している「声明」を簡訳しておきます。(長くなるので後編に回します)2024.8.6

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/