オーストラリアもワクチン強制国になるのか?

 「オーストラリアのアボット首相が「ノージャブ、ノーペイ」という政策を打ち出したと聞きびっくりしていたら、アメリカではもっと過激な法案が!! 狂っていますね。何事も強制はいけないです」というコメントがありました(ありがとう!)。
 そうなんです。オーストラリアのタカ派首相が、「No jab(ワクチンを打たなければ)、No Pay(優遇策なし)」を言い出したのは4月12日。日本でも報道されていました。 

予防接種拒否なら「児童手当支給しない」…オーストラリア首相が強権策

2015.4.12
16:26http://www.sankei.com/world/news/150412/wor1504120023-n1.html

 オーストラリアのアボット首相は12日、ポリオ(小児まひ)や破傷風など、子供への予防接種を拒否した家族への児童手当などを原則的に支給しないと発表した。来年1月から実施するとしている。7歳未満の予防接種率は97%と高いものの、保護者がワクチンの副作用などを懸念し接種させないケースが過去10年で4万人に倍増しており、政府はこうした傾向を断ち切りたい考え。首相は「予防接種を受けていない子供から重い病気をうつされる心配をせずに、子供を保育所に預けられるようにすべきだ」と強調した。支給が止められる手当は、子供1人当たり最大1万5千豪ドル(約140万円)になるという。(共同)

 オーストラリアでは、このようなワクチン拒否者を、良心に基づいて兵役を拒否した人々(良心的兵役拒否者、conscientious objectors )にならって、良心的(ワクチン)拒否者=COと呼んでいるそうです。そして、そのようなCOの数がじわじわ増え続けていることから、焦った製薬メーカーが、政治家に指令を出しているのでしょう。今年一月、米の反ワクチン活動家シェリー・テンペニー氏によるオーストラリアでの講演も、ネットでめちゃくちゃに叩かれ、開催が危ぶまれたことがありました①。
 今回の強権策も、このままでは事実を知った市民が増え、収入が減ることを恐れた医薬業界によるロビイングの結果のようです。野党だって賛成しているし(日本でも共産党が熱心にHPVワクチンを推進していたのは有名な話)。ファィナンシャル・タイムズ②によると、スコット・モリソン保険相は、おどろくような発言をしています。
「ワクチン拒否を選んだ親に補助金を支払うのはフェアではない」
「子供への予防接種はスマートで正しいこと、というのが専門家の圧倒的な意見だ」

 ね、ワクチン接種は、まさに兵役と同じように、「負担を伴う義務」ととらえているわけ。
オージー政治家に「人権意識」が欠けているのは、この国がアボリジニの土地を奪い、勝手に「独立宣言」して誕生したという歴史から来ているのかも。日本の「満州国」がそのまま、まかり通っているようなもんです。だから米の戦争にももれなく参加している・・・
 話をもとへ。ーストラリア医師会(AMA,27000人の医師が参加)はもっと露骨です;
「ワクチンは今なお、公衆の健康管理にもっとも有効な手段だ」
「なにより接種率をあげることが重要だ」
「子どもだちは、親の(ワクチンを受けない)選択のために罰を受ける(病気にかかる)だろうが、社会は伝染病から守られなければならない。特に化学療法を受けている病人は」

 もちろん反対派が黙っているわけはありません。ワクチン義務付けに反対するオンライン署名には5日間で3000以上の署名が集まったとのこと。これから法律制定に向けて戦いが激しくなるのでしょうね。この流れ、次に日本に来ても不思議ではありません。なのできちんとした情報提供がさらに必要になります。山本は5月19日は大阪で講演予定ですが、近隣で、その前後に話を聞きたいというリクエストがあれば、hanghau@hotmail.comまでお知らせください。2015.4.30

①http://www.dailytelegraph.com.au/news/nsw/pro-vaccine-lobby-fight-to-stop-us-anti-vaccination-campaigner-sherri-tenpenny-lecturing-in-australia/story-fni0cx12-1227172604955

②http://www.afr.com/news/politics/national/tony-abbott-announces-no-jab-no-pay-policy-20150413-1mjc4f

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/