「契約は9月」証拠あり

 「言論弾圧」には戦わないといけないからして、みんなで過去の記録を発掘中。で、8月2日に行われた、南足柄市と市民との話し合いで、市はちゃんと「9月に契約を結ぶ」と答えていました。市民が、新聞で「搬入日決定」を知って急きょもたれた話し合いですが、市は何一つまともな答ができず、すべては「県の指示通り」が明らかになりました。音声データは 01:14:05~から。Kは南足柄市の柏木氏、Yは私(山本)、Mは他のメンバー。文章はほぼ原文のままですが、一部カット。意味が通じないと思われる部分は( )で補っています。 

 
Y:・・・それさっき野中さんの名前を聞いたんだけど? その答えが無かったんだけど。いつごろからこれ合意書を作りましょう…ていう話になったの?
K:合意書は、まぁ結構、早い段階で(交渉を始めました)
Y:何月ぐらい?
K:それは分かんないです。
Y:アバウトでいいから
K:7月ですね。7月上旬です。
Y:7月上旬ですか? それは何かペーパーがあるんですか? 当然、合意書を結ぶための起案書とか何かあるわけでしょう?
K:それは、あれですよ。最近ですよ、起案は。
Y:起案が最近?
K:合意書をつくっていても、これで良いっていう話ではなくて、たたき台で…。 
Y:たたき台の時は全然文書を作らないんだ?
K:あぁ作らないですね。
Y:それは、まずいですね。そういうことするから、水面下交渉だって言われるのよ。なんでたたき台だったら起案書がないんですか?ただき台の時点で一番それが大切ではないですか。
K:…(沈黙)
Y:それは何?市長の差し金?
K:いや、全然そんなことはないですよ。
Y:じゃあ何で?Mさんが一生懸命聞いてるのに何も答えないの? 合意書を(作成した)その日に結ぶの?って聞いても、それでも答えない、これは何か緘口令でも出ていない?
K:いや、出てないです。こちらの判断のなかで、合意していないっていう…
Y:そうすると南足柄市の人たち(職員のこと)は、とってもおかしいっていうか、レベル低いっていう事になるのよ。
M:ウスイさん、(私が電話した時、)誰かに何度も相談してましたよ?私が質問するたびに、「ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください」って、どこかに確認を取りにいってたんです。合意書、委託契約書、それから、作ってないだろう埋め立て設計書、計画書のたぐい、全部イチイチ誰かに確認とっていましたよ。それ(その確認先)は柏木さん?
K:いいえ違いますよ。
M:7/31の午前中は、席、離れていたんですか?
Y:手続きと委託契約を含めたフローって無いの? 簡単に言ってくれる?手続きの流れ…わざわざ書いてあるんだよね …説明して。
K:手続きの流れ…?
Y:「処理に必要な手続き」ってあなた達が書いているんじゃない。
K:えー検査…まず、現地…その結果に…
Y:検査じゃないでしょう。まずはその地元の住民がOKしてくれるか、とかさ。
K:市民っていうことですか?
Y:そう市民。雨坪の人たちとか…最初はそこで、そのほかに南足柄市民が全員OKだよっていう事を同意とか合意をまずとる、というのが、手続きの最初に来ない?…だって、通常、受け入れる物じゃないから。それを超法規的的にやろうとしているのだから。超法規的って、ものは言いようで、要するに「違法」。違法事業をやろうとしているわけ。(中略)
Y:委託契約っていつ結ぶんですか? 嘘つかないでね。合意書だって嘘ついたのだから・・・ちょっと待って。委託契約をいつ(結ぶ)分からないはずないですよ。だって・・・遅くとも平成25年、今年12月までに完了するって書いてあるわけだから、分からないはずないですよ。
K:日付まではわからないけれども…
Y:じゃあ何月までに結ぶの?
K:受け入れるのに間に合うようにですから、まぁ、検査結果が8月末には出るから…。
Y:8月末に検査結果が出て…それで? 委託契約は?
K:その後になると思います。
Y:その後になるって大体いつごろ?
K:9月半ばか・・・9月中には。
Y:はい、皆さん、9月いっぱい、おそらく9月のあたまには委託契約を結ぶ予定であるということなんですね。以上

 最後の発言は、参加した市民に向けて念押ししたもの。まさか、こう答えたその日に契約を交わしていたなんて思いもしなかった・・・南足柄市が苦し紛れについたウソというより(同市職員は県などに比べはるかに正直)、県に「聞かれたら、9月中と言っておけ」と指示されていたんでしょう。その証拠に、県の方も、電話問い合わせなどにも「まだ」「ない」と答えているんだから、組織ぐるみで隠蔽に走っていたことは確か。これを「うそつき」と言わずに、なんと言うの?

 県市が、基本協定(7/29 )、合意書(7/31)、委託契約書(8/2))の3点セットをクリアし、処分場に「魚網」を埋めるための変更手続きも済ませていたのに、市民は8月2日の段階で知っていたのは「合意書」だけ(契約書に至っては、洋野町に電話した9月9日にやっと判明した)・・・知らない方が悪いのではなく、税金で行われる公共事業について、何も知らせない、隠すというのが違法なのです。

 上の会話で、原案段階では記録も残さないというのも、この隠蔽作戦のひとつ。水面下交渉は「なかった」ことにして、とにかく「魚網埋立」を既成事実
にしたかったわけで、これってもろブラック事業のやり方なんですけど。トップが悪いと行政はどこまでも腐る! なお、公務員による虚偽発言は、地方公務員法違反だから。2013.9.19
 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/