神奈川県との交渉始末(4.24)

 昨日の対県交渉にご参加くださったみなさま、ありがとうございました。ブログを見て初めて参加してくださった方は驚かれたかもしれません。県職員の態度があまりにも悪く、いつもは静かな(!)私が怒りまくっていたからです。

 理由は二つ。まず場所を急に変更したこと。恒例の会議室は使えないので新庁舎から何ブロックも離れたビルに行けというのですが、事前に連絡もなく、しかも大雨。で、これを断って、分庁舎での面談になったのですが、市民を馬鹿にしないでね、と怒ったわけです。

 次は、新任のチームリーダーH氏が、質問に何も答えられなかったこと。実は、がれき広域処理の担当者が、4月初め、一斉に異動したのを知り、事前に会いに行って、きちんとした対応をするように伝えておいたのですが、これを無視したわけで、これには全員、カンカン。

 質問と答をおおまかに言うと、以下の通り。 

 ①魚網の「精査」とは何か? ――知りません、調べていません。
 これは非常に重要な問題です。「魚網の処理が進まない」ので受け入れる、と言いつつ、受入必要量が、7000トン→3000トン→1100トンに下方修正された根拠を説明できないのだから。魚網は無くなったのでも、減ったわけでもなく、「山はそのまま、精査によって少ないことがわかった」というのが前任者の証言。それなら、いったいどんな「精査」をしたのか知りたいと思うのは当然。特に、魚網の比重が最初の0.7から0.4になった、というのは重大です。魚網はプラスチックの塊だから、それを埋め立てると問題が起きてくる。県はそれを含めてきちんとした情報を収集し、説明する義務があるのに、岩手に連絡さえしていなかった。

 ②魚網に使用した殺虫剤について調べましたか?ーー調べていません、把握していません。   
 そういうので、私の方から岩手県の農薬関係の資料を彼らにも回覧するという、攻守逆転現象が…魚網には、特に、高濃度の農薬・殺虫剤が使われていますが、たとえそれを規制する法律がなくても、一般の廃棄物として扱うのは不適当です(普通、千倍液で使うスミチオンも、100倍くらいで使用している)。殺虫剤は、2011年だけでなく、2012年も(おそらく今年も)がれきに散布されているので、それを燃やしたり、埋めたりすると環境汚染の心配が消えません。

 ③箱根町とはどういう話合いをしてきたの?――知りません、答えられません
 彼らは20日の「説明会」にも出ておらず、配布資料も知らないんだとか。

 こういう公務員を飼うために税金を払っているのかと思うと、脱力~。で、次回からは、魚網をテーマにしつつ、「神奈川県の環境政策に関する対県交渉」という形で関連の部局の出席も求めることにしました。H氏には、上の質問にもう一度、答えさせ、さらに④芦名の協定に対する正式回答、などの答を要求しました。 
 で、次は5月14日に交渉を持ちます。各地の環境問題を抱えている方、どなたでもご参加下さい。2013.4.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/