逮捕者4人、大阪テント村

 100人もの警察官を動員しなければ実施できない説明会、って何? 立入禁止令があるわけじゃあるまいし、逮捕なんぞするな!…とは思うけれど、今回の逮捕「劇」にはちょっと違和感が・・・。
がれき受け入れ反対の男ら4人逮捕 大阪府警
2012.11.13 21:34
震災がれきに関する市民向け説明会が行なわれた大阪市此花区の会場内に立ち入り、準備を妨害したとして、大阪府警は13日、建造物侵入などの容疑で、がれき受け入れに交尾するグループの男3人と無職の女(33)の計4人を現行犯逮捕した。男3人はいずれも黙秘、女は「納得いかない」と容疑を否認している。府警によると、逮捕されたのは、外国人登録証明書から韓国籍の男(45)らとみられる。逮捕容疑は同日午後5時過ぎ、説明会の準備中だった大阪市此花区四貫島の区民ホールで、ハンドマイクなどを使って「受け入れ反対」のシュプレヒコールをあげ、施設側の退去要請に応じなかったとしている。4人のうち30代くらいの男は、現場にいた男性警部補(48)の腕を振り払ったとして、公務執行妨害容疑で逮捕された。ホール内には一時、抗議するグループ約20人が立ち入って混乱したが、府警は約100人を動員して警備を強化。午後7時からの説明会は予定通り実施された。http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/121113/waf12111321350031-n1.htm
 逮捕されたのは、大阪市庁舎前の「反がれきテント村」のメンバーとのことですが、この「村」が出現した時から、いずれこういうことになるのではと危惧していました。何人かの関西の反がれきの人々に聞きましたが、テントにいるのがどこの誰なのか知らない、聞いてもちゃんと答えない、というのです・・・というより、「怖い」という反応が多かったかな。テントの人々が、いくら「反がれきのPR になる」と主張しても、仕事もせず、そこに「常駐」している人々の姿は、普通の市民には「こわい」と映っているようです。
 それに、動画やメールを見てヘンだと思ったのは、警察側は逮捕する人を事前に決めていたらしいということ。つまり一部のテント住民に目をつけていて、具体的な妨害行動がなくても、説明会直前に逮捕を予定していたというわけです・・・これって何?
 すぐ、頭に浮かぶのは「見せしめ」という言葉。
 「政府が決めたことに従え」「反抗するな!」「反抗するヤツはこうなる!」
 この現場を見た反がれきのママさんたちの中には、おびえて運動から手を引く人が出てきても不思議はありません。テント村がそれを狙ったとは思わないけれど、結果として何が起きるか、十分予想はついたはずです。なお、逮捕された人たちは「黙秘」だそう。
 この事件に橋下、おそらく大喜び。これでテント村を撤去し(彼の性格なら、とっくの昔に撤去していても不思議はなかったけれど)、反がれき派にも「過激派」の烙印を押して、試験焼却を強行できる口実ができたからね。説明会も予定通り行なわれたというから、私は、テント村の狙いについて説明会を要求したい思いでいっぱいです(怒)。2012.11.15

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/