九州では川内原発1号機に次いで、二つめの原発再稼動となるのでしょうか。しかもその一つはプルサーマル(MOX)発電。原発(核電)と人類は相容れません。地元自治会、特に自治体の長が「ノー」と言えば止まるんですけどね、原発立地自治体は「お上意識」が他より強く、間違いを認めず、人権を無視する傾向が強い。
玄海原発3・4号機 “新規制基準の審査に合格”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170118/k10010843711000.html
佐賀県にある玄海原子力発電所の3号機と4号機について、原子力規制委員会は、九州電力の安全対策が再稼働の前提となる新しい規制基準の審査に合格したことを示す審査書を正式に決定しました。今後、設備の詳しい設計の審査や地元の同意などが必要で、九州電力が目指す再稼働は早くてことしの夏以降になると見られます。
玄海原発3号機と4号機について、原子力規制委員会は去年11月、九州電力の申請以降、3年余りの審査を踏まえて、安全対策が審査に事実上合格したことを示す審査書の案を取りまとめ、一般からの意見を募集していました。18日の規制委員会では、原子力規制庁の担当者から「『繰り返し強い揺れが起きた熊本地震の教訓が反映されていない』といった意見があったが、基準では、施設の機能が保たれることを要求しているほか、事業者が地震の影響を点検し、必要な措置が講じられることを確認している」などの説明を受けたうえで結論は変えず、表現を一部修正した審査書を正式に決定しました。審査書が決定したのは、現在、運転中の鹿児島県にある川内原発などに続き5か所目で、九州電力の原発としては2か所目となります。今後、設備の耐震性など詳しい設計の審査や検査、それに地元の同意が必要で、九州電力が目指す玄海原発の再稼働は、早くてことしの夏以降になると見られます。また、玄海原発をめぐっては、事故が起きた際のお年寄りや障害者の迅速な避難や、本土と橋で結ばれていない合わせて17の離島からの避難などの課題があり、佐賀県などが策定した避難計画の実効性を高めていくことが求められます。
玄海町長「ほっとした気持ち」
地元・玄海町の岸本英雄町長は「原子力規制委員会にしっかりと技術面の安全性の確認をしていただいた。やっと決めていただいてほっとした気持ちだ」と述べました。また、岸本町長は、原発の安全対策などについて、国や九州電力に詳しい説明を求めていくとしたうえで、「2月いっぱいにはある程度の作業を進めたいと思っている」と述べ、来月にも町として再稼働に同意することを表明するよう、議会などとの調整を進める考えを示しました。
全国の原発の運転・審査状況
福島第一原発の事故を踏まえて作られた新規制基準の審査には、玄海原発3号機と4号機を含め、これまでに5原発10基が合格し、このうち、鹿児島県にある川内原発1号機と愛媛県にある伊方原発3号機の2基が運転中です。廃炉が決まった原発を除くと、全国には16原発42基があり、建設中の青森県の大間原発を含めこれまでに26基で再稼働の前提となる審査が申請されました。
審査は、「PWR」=加圧水型と呼ばれるタイプの原発が先行しています。原子力規制委員会は、申請のあった8原発16基のうち、5原発10基について、これまでに審査の合格にあたる新しい規制基準に適合していると認めています。内訳は18日に審査書が決定した玄海原発3号機と4号機のほか、川内原発1号機と2号機、伊方原発3号機、福井県にある高浜原発3号機と4号機、それに原則40年に制限された運転期間の延長が認められた高浜原発1号機と2号機、福井県の美浜原発3号機です。このうち、おととし再稼働した川内原発1号機は、一時、定期検査に入りましたが、先月再び起動し、2号機は定期検査のため、先月運転を停止し、来月起動する計画です。
伊方原発3号機は去年8月に再稼働し、運転中です。高浜原発3号機と4号機は、去年1月以降、順次、再稼働しましたが、4号機は再稼働の3日後にトラブルで原子炉が自動停止し、さらに裁判所の運転停止を命じる仮処分の決定を受け、2基とも決定が覆らない限り、運転できない状態です。また、運転延長が認められた高浜原発1号機と2号機、美浜原発3号機は、安全対策の追加工事などを終える必要があり、関西電力は、実際の再稼働にはそれぞれ3年前後かかるとしています。このほかのPWRでは、福井県にある大飯原発3号機と4号機が事実上の審査合格を意味する審査書の案の取りまとめ作業に入っていて、今年度中にもまとまる見通しです。
北海道にある泊原発3号機は、川内原発などと同じ4年前に審査の申請をしましたが、合格の具体的な時期は見通せない状況です。
福井県にある敦賀原発2号機は、焦点となっている真下を走る断層の活動性から議論を始めていて審査は序盤です。一方、事故を起こした福島第一原発と同じ「BWR」=沸騰水型と呼ばれるタイプの原発は、これまでに8原発10基で審査が申請されています。新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の審査が終盤に入り、このタイプの原発のなかで最も進んでいますが、緊急時の対応拠点の設置場所の方針変更に伴い、審査に遅れが出ていて、合格の時期は来年度以降になる見通しです。
玄海町の町長は、フクイチ、熊本地震を経験しても、なお、「(再稼動を)決めていただいてほっとした(良かった)」などとほざいている。非常時にそなえて、避難計画を作らなければならないような施設を公共事業で進めるのは間違いだし、それを「安全・安心」と推進するほど危険でおろかなことはありません。しかし、立地自治体の長は長年の原発補助金で目を眩ませられ、この危険なエネルギー源に頼る過ちにまったく気がついていない・・・・とっとと首をすげ変えるしかないですね。
ところで、この件に関するサンケイの報道↓は、短いけれどNHKよりずっとマシ。
九電玄海3、4号機、新規制基準の審査合格 規制委 6例目
更新 http://www.sankei.com/west/news/170118/wst1701180022-n1.html
原子力規制委員会は18日、定例会合を開き、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)が新規制基準を満たしているとする「審査書」を正式決定した。審査合格は6例目。九電は平成25年7月に審査を申請。当初、免震重要棟を新設し、その中に重大事故時の対応拠点となる「緊急時対策所」を置く方針だったが、審査中に撤回、耐震構造の施設に変更した。九電は、耐震補強などの安全対策工事を今年3月末までに終え、3号機ではプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電を行う計画。ただ、佐賀県伊万里市など周辺自治体に再稼働への反対論があり、地元同意の手続きがどのように進むか不透明だ。30キロ圏内に多数ある離島の住民避難も課題となる。また、2基が再稼働すると使用済み核燃料プールが数年後に満杯になる見通しで、規制委の田中俊一委員長は金属容器で保管する「乾式貯蔵」の導入を求めている。
出てきた。使用済み燃料の処理問題・・・使用済み燃料を安全に保管できる場所は今なお世界になく、そのための技術も存在していません。「乾式貯蔵」だって、よく「漏れ」や「火災」を起こしていますが、田中委員長はそのことも知らないのでしょう。
2017.1.19