前回の続き。ユーチューブの画像へのコメントを忘れていました。これが「協定書は改訂されている」の、もうひとつの理由。連合会の長谷川会長(多分)が、記者の質問に、得意げにこう答えているのです。http://www.youtube.com/watch?v=YUdCq9aR540&feature=youtu.be
「まあ、100パーセント拒否ということでもございませんでしょうし、内容によって、知事のお気持ちを聞くこともやぶさかではございません」
驚愕の条件付き回答! おいおい・・・交渉次第で受け入れも可、って言ってるの?(言ってる!)。これで「撤回要請」なんて言うのは詐欺じゃない?(詐欺!)。でも、これも行政との打ち合わせの結果でしょう。同じ記者会見で知事はこう言っています。(一部聞きれず)
「…出したものは、同じことをくりかえしてお願いするということは、もう、ないでしょうね。それは厳密に言えば、前出した分は撤回するのかというと、その分は撤回せざるを得ないんじゃないかなと思っています。しかし、被災地からの震災廃棄物は何らかの形で受け入れたい、その思いは変わっていません」
ね、知事はこの撤回要請提出時点で、すでに撤回を決めているでしょう?そして、「前」というからには「新」がある。これをふまえて、連合会会長氏は、今後、「新」について県交渉を始めることを宣言したわけです。
役員会がどんな見返りを求めているのか知りませんが、この連合町内会が、水面下で行政取引をするのはこれが初めてではありません。最初は処分場でした(これについては今は述べません)。そして、昨年は横須賀・三浦の広域新焼却炉の長坂への建設計画を、役員だけでOKしたという黒い過去があります。
これを知ったのは、1号のチラシを配っていた時。「ここには焼却炉計画もあるんだよ」「全部、あの人たちが勝手に決めたんだ」「何でも西に持ってくればいいと思っている」「反対したが、逆に攻撃されて…」なんて話を山ほど聞きました。入手した資料には、この件について住民総会が開かれたなんて記録はなく、すべて一握りの老人たちが裏でものごとを決めていたことがわかります。彼らは23年5月、「対策協議会」を設立し、実質的に計画に「合意」し、行政側に身を投じてしまったのです。http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/4240/shinngomisyorishisetu.html
広域の焼却炉といえば、どんな田舎でも激しい反対運動がおこるのが常ですが(その結果、建設中止に追い込まれることも多い)、心優しいこの地域の人々は沈黙を守り、それがさらに今回のがれき焼却灰受け入れ問題につながっているわけ。不公正な組織は解体し、本当に住民の意思を受け止められるシステムを作らない限り、同じことはくり返されます。
会長は平然と言います。「住民の総意をお伝えしたんですが…知事は知恵をしぼってやっていきたいとお話されているんですが、セシウムを含んだものは、素直に受け入れられないというのが現状ですね」
……こんな条件付撤回要請が、住民の総意であるはずはありません。大楠連合町内会のみなさん、ぜひ目を覚まして欲しい。総会を開き、この間の事情を知って「協定書は改訂しない」との、本当の総意をまとめて欲しい。2012.2.18
100%反対じゃございません
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/