驚きの「有識者会議」意見ーー鮫川村焼却炉

  環境省の「指定廃棄物」のサイトが更新されていました。

  • 12月6日「仮設焼却施設周辺の空間線量率 平成25年12月」を更新しました。
  • 12月4日「農林業系副産物等処理実証事業主灰コンベア破損事故の再発防止対策(平成25年12月)」を掲載しました。
  • 12月4日「事故の再発防止対策に係るご意見について」を掲載しました。
  •  三番目が、11月14日の密室の説明会についての記事。なかなかすごい意見が出たようですな。(下線と★は山本)

     事故の再発防止対策に係るご意見について
    ○ 住民説明会(11 月14 日開催)でのご意見
    ・ 村民への緊急時の連絡方法のうち、教育委員会を通じた各学校や父兄への具体的な連絡方法が分からないと不安なので、明らかにすること。
    ・ 稼働して数日で事故が起こったのは、人為的ミスというより仕事のマンネリ化が原因で、大事なことを忘れているのではないか。
    ・ 失敗から学ぶことは多いので、次のステップに活かして、現場の管理体制強化の中で作業員の教育を徹底して事業に取り組んで欲しい。
    ・ 除染は復興の前提で、これを進めるためには減容化が必要であり、そのためにも教育をしっかりと行って、早く復興させて欲しい。
     ★わずか十日でマンネリ?! 「次のステップ」って再稼動のこと?! 除染は復興の前提?! 減容化が必要?!・・・なるほど、こういう発言が「予定」されていたから、私たちを入室させなかったのか。フクイチの大熊町も、こういう連中によって人の住めない町にされてしまったことを思うと、ほんと、腹が立ちます。恥知らず。売国奴ー売村奴。

    ○ 有識者委員の現場確認後のご意見(11 月15 ・27 日、12 月2日に分けて現場確認)
    <設備に関する再発防止対策について>
    ・ 設備に関する再発防止策は十分にとられている
    ・ メンテナンス作業が容易になるような工夫をすること。作業者が運転中に余計なことを考えずに安心して作業ができるよう工夫すること。万が一ゲート上に灰が蓄積してもメンテナンスが容易にできるように工夫しそれを良く理解させること
    ・ 一酸化炭素の検知器は、低濃度(数百ppm 程度)でも検出できるものを設置すること。
    <教育・訓練について>
    ・ 事故防止には、人の教育が最も重要。
    ・ 新任者(収集運搬・投入作業員)の教育・訓練は、特に丁寧に行うこと。
    ・ マニュアル、手順書に従ったチェックリストが大切であり、始業前(朝)と終業後(夕)に必ずチェックリストでチェックすることが重要。毎日何をチェックするのか明確にすること。作業に慣れてきた時にチェックリストの存在意義は大きいので、十二分に活用すること。
    本施設はバッチ運転なので、毎日きちんとチェックして管理できていれば問題はない。
    ・ 運転再開後軌道に乗ってきた時点で、運転マニュアル等の確認と見直しを検討すること。
    <焼却炉の運転について>
    ・ 10,000Bq/kg 超の対象物の取扱い作業は、自動化しない現状システムが良い。また、焼却不適切物の混入がないかどうかを人の目で確認する現状の考え方で良い。
    ・ 燃焼対象物の性状に応じた組み合わせ等の条件を事前によく検討して、クリンカが発生しないように留意すること

     ほんと御用有識者は最悪。世界初の高濃度放射性廃棄物の焼却施設が粉じん爆発を起こしたというのに、「再発防止策は十分」? 少しでも知性があるなら、「再稼動は停止し、その他の処理法を」と提言すべきでしょうが。また、「(作業員に)よく理解させること」「何をチェックするのか明確にすること」などの注意は、ここで働く作業員のレベルを反映しています。人為ミスが原因だというのに、この危険施設をきちんと管理できる人材が確保できないのです(だから、こんな施設を作ってはいけないのですが)。
     驚いたのは、「バッチ炉…」の部分。ダイオキシンは焼却炉の中で発生しますが、その発生量が最大になるのは、立ち上げ、立ち下げの段階だから、環境省だって、基本的に24時間連続高温焼却を義務づけているんですけどね。この「有識者」らは、指定廃棄物焼却炉はダイオキシンとは関係ないとでも思っているんでしょうか? ダイオキシン特措法では、事業者は知事に事故報告を通報する義務がありますが、それを行った様子はなく、どうもダイオキシン特措法違反では。
     最後は、これ↓

    <リスクコミュニケーションについて>
    ・ 以下の観点を踏まえて、リスクコミュニケーションの充実を図ること。
    今回の事故の原因、影響及び対策に関する住民への幅広な情報提供と、今後の事故や故障に際しての迅速かつ全面的な情報の公開。事故や故障をゼロにはできないことの一般的な理解の共有。操業開始の際の条件(範囲や期限)の再確認と、本事業の地域にとって、福島の復興にとっての意義の再認識。

     「絶対、安全・安心」って、「事故や故障はゼロにはできない」ってことだったんだ!
    あ~もう、笑っちゃう。鮫川村民よ、だまされましたな。2013.12.9

    この記事を書いた人

    山本節子

    調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
    立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
    住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
    ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/