長野県で農薬散布中止あいつぐ

 長野県小県郡青木村は今年5月25日、防除対策協議会で、
本年度の松くい虫防除の農薬空中散布中止を決めました。http://www.shinmai.co.jp/news/20090526/KT090525ATI090009000022.htm
 同村の空散は1997年から。約80ヘクタールの広い地域に、国
県の補助金を得て実施していました。しかし、散布の時期になると
「のどが痛い」「目が充血する」など
体調不良を訴える市民が
いたのと、近隣自治体があいついで中止を決めたことが決め手にな
ったようです。翌日には、上田市も空散の中止を正式決定しました。
「母袋市長は『市民グループから中止要請があり、空中散布と健康被害
の因果関係が否定できないことから市民の健康を重視すべきと判断した』
と述べ、「全会一致」(母袋市長)で中止を承認した。」
 http://shinshu.fm/MHz/22.56/archives/0000283286.html 
 市民団体の「こどもの未来と健康を考える会」は、佐久病院と健康
被害を調査しています。この問題は被害者が直接訴えないと、感じ
ない人にはまったく理解できないのですね。
 
 1985年から空散を行っていた坂城町は、非公開会議で担当課の産
業振興課が中止方針を提案、最終的には全員が了承したそうです。同
時に、市内国有林の空散も「単独実施は困難」と中止が決まりました。
 さて、このニュースを手放しで喜べるでしょうか?
 代替案はどうする気でしょう?
 地域によっては、全量伐倒駆除や間伐で対処する、関係者をまじえて
プロジェクトチームを作り、市民と協働で森林保全を図るなどの方針をうち
出しているところもあります。でも、青木町では、被害木伐採や樹種転換
と共に、「農薬樹幹注入」もあげている。
 ……行政のやり方を知っていれば、これは、より金と人手のかかる樹幹
注入に向けた地ならしのようにも見えます。「松枯れの原因は松くい虫」
という化学業界のホラを破っていかない限り、モグラたたきはもうしばらく
続くでしょう。2009.6.15

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/