フツーの焼却炉のリサイクル品から放射能が検出されたというニュース。これもがれきチップ問題と同じように、氷山の一角のはず。
鉄くずから微量の放射線量測定 宇和島市(愛媛県)
2014年4月12日 1:54http://www.news24.jp/articles/2014/04/12/07249127.html 愛媛県宇和島市のごみ処理施設から搬出された鉄くずから、微量の放射線量が測定された。宇和島市などは原子力規制庁の指示を受け、12日、改めて数値を測定することにしている。微量の放射線量が測定されたのは、宇和島市の津島町クリーンセンターでプレスされた鉄くず。宇和島市などによると、この鉄くずを新居浜市の業者が香川県のリサイクル業者に持ち込んだところ一時間あたり0.9から1.22マイクロシーベルトの放射線量が測定された。このため鉄くずは引取りを拒否され、新居浜市の業者の倉庫に保管されていて、愛媛県新居浜市が測定した結果、最大で4マイクロシーベルトの放射線量が測定されたという。宇和島市や県原子力センターでは原子力規制庁の指示を受け、12日、保管場所に立ち入り、鉄くずの放射線量を改めて測定した上で今後の対応を協議することにしている。
焼却炉から鉄くず?と思う人もいるでしょうが、生活ごみの中には、鉛、カドミウム、アルミニウムなど多様な金属類が含まれています。ごみを燃やすと、これらの金属の一部は気化して環境中に出、一部は灰に残ります(セシウムも金属、しかも融点・沸点ともに非常に低いー気化しやすいーことに注意)。その灰に残った金属類の「リサイクル」を進めてきたのが日本の焼却炉メーカー。たとえば、これ↓
こうやってごみ焼却処理を正当化しているんですけどね・・・とにかく、日本ではこうして、ごみの焼却灰も下水汚泥の焼却灰も、ごく普通に全国に拡散されていました。しかし、「フクシマ」後、東京都の焼却灰が放射能で汚染されていると発表(2011年6月27日、「江戸川工場」のセシウム9,740ベクレル/kgが最大)したことから、関東から飛灰を受け入れていた自治体や企業は大騒ぎになりました。たとえば、北九州市は、千葉県流山市から飛灰を入れていた光和精鉱㈱を「指導」、同社はこれを受けて直ちに搬入を停止、検査の結果、放射性物質として取り扱う必要のない基準(100ベクレル/kg以下)を超えた18トンを流山市に返却しています・・・これが流山市の焼却灰埋め立て問題につながっているのですが。詳しくは:千葉県流山市からの溶融飛灰について – 北九州市 www.city.kitakyushu.lg.jp/kankyou/01100008.html
もっとも、返却した理由は「他の工場がリサイクル原料として引き取らなかったため」で、他社が引き取っていれば問題化しなかった可能性も高い。このへんのことを頭に入れて最初の記事を読み直すと、①シーベルトで測定している(2011年まではみなベクレルでした)、②事故から3年後、焼却灰に含まれる放射能は低下傾向にあり、今頃この値が出る理由が不明、③四国のもっとも西で、福島原発事故が直接の原因とは考えられない、④なぜか原子力規制庁や県原子力センターが首を突っ込んでいる・・・などに気がつきます。
どうも、原発がらみの高線量廃棄物を、どこかの事業者がこっそりもちこんだ気がします。宇和島ではクリーンセンターをめぐる汚職事件も起きており宇和島市汚職:元主任技能員に懲役1年8月の実刑判決 /愛媛 – 毎日新聞、弱みを握られている人もいるかもしれないし。でも、このような事件は、今はどこで起きてもおかしくない。私が、焼却炉の段階的停止を主張しているのは、リサイクルと称した汚染拡大策を止めるためでもあるのです。2014.4.13