もともと狂ってるとは思ってたけど、八丈島の処分場計画はひどすぎ。
洋上の孤島、国立公園内、水源の山、その中腹(400メートル)、そ
んな貴重な場所に、生態系を守るべき立場にある環境大臣が、自らゴー
サインを出そうというのだから。
でも、これこそ、政府が1990年代以降、ずっと追い続けてきた環境
政策(循環型政策)のいきつく先です。環境問題は政治そのもの。
「循環型社会」とは、生産・消費はそのままに、出たごみを焼却と(灰
や熱の)再利用、埋め立てで処理するとい、いわば、都市問題とと経済
政策を結びつけて、汚染を弱者につけまわす汚染拡散社会です。これが、
より人口の少ない、島や農山村への汚染施設の集中を招いているわけで、
法的意味を知っていれば、循環型なんて支持できるはずがありません。
でも、八丈島の予定地は処分場が作れない自然公園。本来なら、計画
が出たとたん、「違法だ。作れないはずだ」との、中止要望が出たはず。
なのに、違法パブコメが出るところまで至っている。…それはなぜか?
理由は二つあると思います。
★一つは、町長を初め、町民があまりにナイーブだから。 保守的、
縁故関係が強いなど、だまされやすい条件がそろっているのです。
★もう一つは、町民を法的問題に気づかせまいとする陰謀があったせい。
私が八丈島に注目したのも、島を訪れたさる「専門家」が、「八丈島の
事業で違法行為が行われているとは思っていない」と述べたという新聞記
事を見たから。「あ、やってるな」てなもんです。
私が、行ったこともない八丈島にて肩入れするのは、こんな「環境的
不正義」が許せないのと、弱者の立場におかれた島民と共に、自然環境
と次世代を守りたいと願うからなのです。現地のサイトには「処分場の汚染、
健康被害」について載せていませんが(アドバイスはしてるんですけどね)、
一番の問題は「汚染」。
いったん受け入れれば、あるいは急激な、あるいは緩慢な地域の死がま
っているだけ。必死に反対し、「オルタナティブ」を模索するしかありません。
なお、詳しくは拙著「ごみを燃やす社会」「ごみ処理広域化計画」そして、
「ラブキャナル」などをご覧下さい。2009.6.11
自民党政権の狂った環境政策
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/