環境省は「産廃」であるプラごみを、自治体に処理させる気ですが、これはもちろん廃棄物処理法違反です。
プラごみ処理を自治体に要請へ、国内での処理ひっ迫
2019年5月17日https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3676002.htm
国内で処理がひっ迫しているプラスチックごみについて、環境省は家庭ごみの処理を行う自治体に受け入れを要請する方針を明らかにしました。世界で海洋プラスチック汚染が深刻化する中、環境省は国内で処理が追いつかなくなったプラスチックごみを、緊急対策として自治体の家庭ごみ処理を行う焼却施設で受け入れてもらえるよう、今月中にも要請することを検討していると明らかにしました。これまで、日本は使用済みのプラスチックを海外に資源として輸出していましたが、環境省によりますと、中国が輸入禁止を行って以降、国内の処理が追いつかない状況となっていて、関係団体などから対策の要望があったということです。原田環境大臣は会見で、自治体の実状を踏まえて、できるだけ速やかに進めていきたい考えを示しました。
プラごみの量が多すぎて処理がおいつかないのなら、何をおいてもプラ製品の生産を規制すべきなのです。中国の正式なプラ拒否政策は2018年1月1日にスタートしましたが、その前からこの方針を発表して関係国に対応を求めていました。しかし日本は無策。どうも、東南アジアの国々をごみ捨て場にするつもりだったようですが、その東南アジアでは、政府も市民も先進国のごみに怒りを高めていたのです。そしてフィリピンもマレーシアもタイもインドも、中国にならって次々と「ごみ持ち込み禁止」を発表。こうして、日本やアメリカ、EUやカナダなど先進国のごみは行き場を失ったわけですね。
日本が「生産規制」に取組もうとしないのは、業界が循環型基本法という悪法を作り、プラを「循環型資源」と位置付けているため。法律では「再利用・リサイクル」をうたっていますが、使用済みプラが再利用に耐えられる品質を備えているとは限らず、分別・処理・保管(容量が大きい)にはやたらにコストがかかる。そこで、業界は使用済みプラを「(燃料)資源」と位置づけ、「ごみ焼却熱利用=リサイクル」という詐欺まがいの説明をつけ、入口規制(生産規制)ではなく、出口処理(焼却ー焼却灰のセメントなどへの流用)に走ったわけ。
しかし、地域によっては、ダイオキシン類の増加、大気汚染、健康被害をもたらすプラ焼却には大きな抵抗がおきました。これが新型炉の建設に反対する動きにつながり、業界はその情勢に押されて中国に焼却炉を売り込んだのです。中国がそれまでのごみ埋め立てをやめて焼却炉に走ったのはそのあとの話。・・・かくて中国の焼却排ガスは、偏西風に乗ってごみ発生源の日本に降り注ぎ、人々を害しているのです。
その重大性は、厚労省の審議会でもこんな↓報告がされているほど。
「我が国全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患にり患していることを示しており、(患者の数は)急速に増加している」(リューマチ・アレルギー対策委員会報告書 平成23年)アレルギー疾患の現状等
…なんと、平成17年には「3人に1人」だったから、何かしら環境に徹底的な悪化原因があったのでしょう。放射能もそうだろうし、その他、GMO、ワクチン、農薬、ケムトレイル、怪食品類なども原因のひとつでしょう。でも、大気汚染と死亡の関係は確立されています。古くは四日市ぜんそくやロンドンのスモッグ、最近は水銀汚染、その深刻さはWHOが「年間900万人が大気汚染で死亡している」と警告を出しているほど。
なお上の記事は、「海洋プラスチック汚染」だけが問題のような書き方ですが、実際はそうではありません。プラスチックは、プラボトルや容器、ストローだけでなく、家電、自転車、家具、建材などにも広く使われています。そしてそれらの用途に合わせて、実に多くの添加剤が使われているため、焼却すると無数の有機化合物が発生し、環境中にー海にも、地上にも森にも畑にも水系にもー拡散し、そこを汚すのです。
中国がプラ輸入禁止を打ち出したのも、「環境汚染、健康被害」が理由でした。中国政府は環境と健康を守ろうとしているのに、日本政府は、全国産業資源循環連合会など廃棄物関連の団体の圧力によって、市町村の焼却炉でプラごみを燃やすよう要請するとはけしからん。これは、事業者自らの処理を義務付けている廃棄物処理法にも地方自治法にも違反しており、市町村長はこれに抵抗しなければなりません。私たちの税金はすでに産廃の一部の処理(事業系廃棄物)に使われており、中には県市の出資で業界のために産廃処分場を造る例もありますが(鳥取県米子市など…これも違法)、この上さらに公然と産廃プラごみを燃やすなんて許せない。
みなさん、ご自分の自治体にこの件を問い合わせ、市長や市議にプラごみ焼却をやめるよう求める手紙や要請書を出してください。行動を起こさないと、ごみはこそこそ焼却炉に投げ込まれ、その自治体の環境はまちがいなく悪くなるでしょう。
2019.5.21