汚染地移転が決まった魚市場

 「築地移転」に関する情報提供がありました(私は(おしらせ)築地市場移転問題シンポジウム を出すくらいで運動には関係していません)。

まず、この短い動画↓を見て下さい。問題のポイントがよくわかります。http://m.youtube.com/watch?v=jSD4sMeuodo&hl=en&guid=&gl=JP&client=mv-google 

 移転先の日本ガス豊洲工場跡地は、ベンゼン、鉛、水銀、六価クロム、ヒ素、シアン、カドミウムなど多くの有害化学物質が高濃度で検出されており、アメリカなら「スーパーファンド法」適用まちがいなしの重度汚染地です。埋立地なので、311の時も広範囲に液状化が起きていました。築地市場も強く反対していました。ところが・・・次のサイトを見て下さい。 →http://www.tokyoichiba-project.metro.tokyo.jp/voice/voice07.html

 311後、むしろ計画は加速されていました。やはり「有事の公共事業」だったのです。 

東京都都市計画審議会 市場の豊洲移転決定www.news24.jp/articles/2011/07/29/07187529.html 2011/07/29 · 東京都都市計画審議会が29日に開かれ、中央卸売市場の築地からの移転について、市場の場所を豊洲にするとの都市計画を決定した。 築地市場の移転問題については、去年10月、東京・石原都知事が豊洲への移転を決断し、土壌汚染を取り除く工事が発注されるなど移転へ向けた動きが始まっていた。東京都は、中央卸売市場の豊洲移転についてその場所や面積などを決定するため、29日に審議会を開き、委員の賛成多数で豊洲への移転が決まった。都市計画の決定により、移転へ向けた工事の発注などが行われることになり、14年の豊洲市場のオープンに向けて工事が進められることになる。

 もちろん、ここに至るまでには陰湿な「反対運動つぶし」がありました。中でも有効だったのが、反対の中核だった「東京魚市場卸共同組合(東卸)」の借金肩代わりだったようです…これって、迂回融資だと思えるんですけどね。

 ところが05年、この組合が抱えていた約10億円の負債を、あるファンドが“不思議な力業”でほぼチャラにしてしまった。 力業の主は、築地移転を推進していた当時の石原都知事の肝煎りで04年につくられた「東京チャレンジファンド」。この組合はその後、移転容認に傾いていったhttp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140212-00024964-playboyz-pol

 東卸の借金をこのファンドが4500万円でチャラにしたとのことですが、都のサイトの情報は少なく、裏付けは取れていません。いずれにしても、2008年までには移転下準備が整っていたのに、反対運動にはそれが反映されなかった。何が問題だったのでしょうか。そして、2011年9月、グローバル勢力の後押しで2020年東京オリンピック開催が決まり、まともな市民を唖然とさせました。史上初の汚染地におけるオリンピック。石原が執着していた東京五輪のメディアセンターも、山のような関連施設、インフラもできるでしょう。その頃には豊洲市場もオープンし、「放射能に負けない」「住み続けられる東京」が演出されるはず。これに、10年間で200兆円をつぎこむという「国土強靭化基本法」もでき、国土は大改造されるでしょうwww.nikai.jp/library01/kyoujinka/seisaku-118.pdf。ま、地震津波原発事故で喜んでいるのは、やはり金融機関とゼネコンか。2014.3.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/