校庭のセシウム、氷山の一角

 東京に降った死の灰の実態が、少しずつ報道されています。下の校庭のセシウムのニュースは驚きをもって受け止められているようですが、これは氷山の一角。これから年末年始にかけて、あちこちから、似たようなニュースが流されるでしょう。人々を汚染に「慣らし」、「除染」という役にも立たない解決策を「受け入れさせる」ために。
 芝生シート高線量の小学校、セシウム9万ベクレル 杉並
 2011年12月13日15時2分
 東京都杉並区の区立堀之内小学校で、4月上旬まで敷いていた芝生の養生シートを同区が調べたところ、1キログラム当たり9万600ベクレルの放射性セシウムが検出されたことがわかった。国が廃棄物処理できる目安とする「1キロ当たり8千ベクレル以下」を10倍以上上回っており、福島県郡山市の下水処理施設の汚泥(2万6400ベクレル)以上の数値だ。区は「シートは表面積が大きく、原発事故直後に広く放射性物質が付着したのだろう。放射性セシウムの濃度測定はキログラム換算するため、シートが軽い分、高い数値が出たのではないか」とみる。環境省は12日夜になって「シート1キロに対し他の廃棄物1トンを混ぜて焼却すれば放射性物質は十分希釈される」と回答し、焼却処分を事実上認めた。これを受け、区は焼却する方向で検討している。
http://www.asahi.com/national/update/1213/TKY201112130198.html


 時事通信によれば、杉並区の危機管理対策課は「シートを広げた状態の空間放射線量は地上1センチで0.10マイクロシーベルトで、区内の他の地域での測定値と同じ水準にあり、児童の健康への影響はない」と述べたそう。つまり、濃度は多少違っても、東京都は地域によって、すでに深刻な汚染下にあるわけです。バズビーさんが述べたことは当たっていました。  
 環境省の指示も犯罪的です。「放射性廃棄物は希釈してはいけない、という国際的合意」に真っ向から違反してますが、汚染物は場所を決めて厳重保管するしかないでしょう。焼却すれば、てっとり早く眼の前から消えるし、証拠隠滅にもつながりますが、時が経つにつれ、その「結果」は子どもたちの体に現れてくるでしょう。「焼却しろ」とは傷害罪に当たる、私はそう考えます。2011.12.14

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/