東京での生活は限界、ある医師の決断

  最近、東京都小平市の三田医師の講演会のビデオを見ました。三年間、たった一人で、放射線関連の検査をやってこられた方です。動画はここ→http://www.youtube.com/watch?v=VfuEZPvsWm8(20140214 UPLAN 三田茂医師「関東の子どもたちの異常について」(医師講演・被ばく連続学習会)

 以下に、印象的だった言葉を書き抜いておきます(注:文字起こしではありません)。

 「三年間やってきましたが、行政は動かせなかった、教育委員会も動かせなかった、保健所も動かせなかった、医師会もーー一緒にやってくれる人はいなかった。で、東京でやることに限界を感じて、50年続いた病院を閉めて、(移転先の)岡山から呼びかけます

「子どもの甲状腺がんは(誰にとっても)初めての体験で、今がその研究の始まりだ。

「甲状腺の検査は全員が一度はやるべきだけど、東京はそういうことをやってこなかった。でも、それより優先的にやるべきなのが血液検査。好酸球や異型リンパ球という特殊なものが出るはず(普通は出ない)これが決め手になるはず

「(分布図を見せて)行政が無頓着だったから、白血球異常がある人の分布が、多摩とか横浜、埼玉県にまで広がってしまった

「これは小平市・東村山市・大和市の衛生組合の『えんとつ』という機関紙です。それによるとバックグラウンドの空間線量は高さ1メートルで0.05くらいですが、もっと高い所もある。ごみ焼却、下水汚泥焼却が、線量に影響しているのではないかと思います

「市民が調べたら空堀川付近で1マイクロシーベルトというところがある。きれいだったところが悪くなっている、汚染が濃縮しているという事実がある

「僕の感じでは、最初のフォールアウトの初期被爆が大きいと思う。それから、現在広がっているのは吸気の影響ではないかと思います。理由は、下水処理工場やごみ焼却炉の周りの子供たちの具合が悪いからです。多摩川の流域の子供たち、光が丘工場の周りの子供たち、稲城の清掃工場の周りの子供たちの具合が悪いからです

「現時点では食べ物より空気の影響が大きい

「東京に住んでいる人と話してもしっくりいかない。どうやって被爆を避けるか、といっても、相手(放射線)が悪すぎる。西に逃げてください。

「知り合いの放射線技師が努めている病院の、レントゲンフィルムが多量に感光していたんです。家の中でじっとしていればいいという話ではない。
             …  
 多くの「反原発派」は、もっぱら「被爆と甲状腺」、そして食物による「内部被爆」を心配していますが、三田医師は、「大気中の放射能」に警鐘を鳴らしているわけ。それも、具体的な検査の積み重ねからの発言であり、とても説得力があります。なのに孤立してしまった・・・これが日本の現状。信頼できる人脈を大事にするしかありませんね。2014.3.8

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/