ところで、「広報よこはま」は、横浜市の下水焼却灰の埋め立てとも深くかかわっています。この計画はお母さんたちが反対して、一時的に停止されましたが、林市長は「説明不足だった」と、決してあきらめていません。
セシウム検出:下水汚泥焼却灰、埋め立てを凍結 横浜市 なお略称は、センセイが言うように、ロンドン「海洋投棄条約」ではなく、「ロンドン海洋汚染防止条約」が正しい。それに、同条約96年議定書では、放射性廃棄物は、低レベルにせよ投棄が完全に禁止されています。なのに、「陸上からの投棄だから、問題ない」なんてのは、まさに官僚の悪知恵。「それしかなかった」にしても、前もって各国に通知し、謝罪し、助けを求めるべきであり、学者ならそういうアドバイスをすべきだったのですが(今からでも)、後付で言い訳とは見苦しい。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110915k0000m040085000c.html
毎日新聞 2011年9月14日 20時39分
各地の下水処理場の汚泥や焼却灰から放射性セシウムが検出されている問題で、横浜市が横浜港にある廃棄物処分場に焼却灰を埋め立てる方針を決めたことに対して地元住民らが抗議し、横浜市の林文子市長は14日、当面の間、埋め立てを凍結することを明らかにした。林市長は会見で「市民に不安を与えたことをおわび申し上げたい」と謝罪した。 市は今月9日、市内2カ所の下水処理場で保管している約2700トンについて、安全性が確保されたとして、15日以降に南本牧廃棄物最終処分場(同市中区)で埋め立て処分すると発表。
政府は放射性セシウムが1キロ当たり8000ベクレル以下であれば処分場に埋め立て可能とする「当面の考え方」を示しており、横浜の下水処理場で保管中の焼却灰は最大で6468ベクレルだった。 だが、地元住民らが13日に「環境汚染に加担する」と抗議文を市に提出。林市長は「もっと時間をかけてご理解いただかなくてはならない。説明不足だった」と陳謝し、関係部局に他の処分方法も検討するよう指示したことを明らかにした。
私の経験によれば、女性の官僚や政治家(主に与党)は、男性よりはるかに傲慢・頑固で、支持者の要求を何としてでも実行しようとするタイプが多い。論戦に負けそうになると、説明責任など投げ捨てて、「ご了解下さい」の一点張り。そういえば、泊原発にゴーサインを出した北海道知事も女性だった・・・。本牧埋め立ても、市民が目を離すと、粛々と実行されるはずでしょう。
ところで、「汚泥焼却灰の埋立て」とは「公有面埋立て」、つまり海面投棄に他なりません。廃棄物の海面投棄は、ロンドン条約(London Convention 1972)で厳しく規制されていますが(というか、原則禁止。海の汚染防止が目的なので)、政府はフクシマの汚染水を海にたれ流し続け、各国から非難を浴びたのは記憶に新しいところ。でも、日本の学者はそれでも政府をかばうのです。以下は東大の西本健太郎センセイの論。長い文章をうんと短くしました。原文はこちら→http://pari.u-tokyo.ac.jp/policy/PI11_01_nishimoto.html
とにかく、下水汚泥まで焼却してしまっている日本は、これから各地でセシウム焼却灰が問題になるでしょう。横浜の本牧埋立地は、これまでも水面下の矢板が曲がったり、汚染物質が流れ出したりなど、いろんな問題がありました。この件で、お母さんたちの意識が、ごみ焼却、埋め立てなどにも向ってくれればいいのですが。2011.9.19