前記事の続き。世界で高まる「反グリフォサート、反モンサント、反GMO」のうねりに逆行して、日本政府は完全に農薬企業側に立っています。
2017年12月25、厚労省はグリフォサートを含む十種類の農薬(農薬イソキサチオン、農薬オキシテトラサイクリン、農薬グリホサート、農薬シクラニリプロール、農薬スルホキサフロル、農薬ニテンピラム、農薬パクロブトラゾール、農薬フェンピラザミン、農薬フルトラニル及び農薬ボスカリド)について、食品中の残留基準値を改正する通知を出しています。
厚労省の通知「食品・添加物の一部基準を改正する件について」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000193426.pdf
規制が強化されたものあり、緩和されたものあり、初めて設定されたものあり、といろいろ。イソキサチオン、ニテンピラムでは規制強化の方が多いのですが(それまでがゆるすぎ!)、グリフォサートだけは、大幅な規制緩和。
いったいどれだけゆるくなったのか、それは↓をみると一目瞭然でしょう。
出典:http://blog.rederio.jp/archives/3002(他にも貴重な報告が多い)
明らかに輸出側(アメリカ)の農薬使用の事情を反映した、一部企業のための規制緩和です。米側がひそかに官邸に圧力をかけて早めに手を打ったのでしょう。ところがこの件、検索をかけてもメディア報道にはヒットせず。「食」の安全性は市民の健康に直結するというのに、メディアを巻き込んだ犯罪的なの報道規制までやっていたというのはさらに犯罪的。グリホサートの人や環境への悪影響はすでに否定できず、だからこそ世界的にその規制強化や全面禁止の動きが強まっているのに、その真っ最中にこそこそと基準をゆるめるというのは国民に対する背任罪と言ってもいいほど。
しかも、この大幅緩和は、「食の安全」を確保するはずの食品衛生法に基づいて行われているのだから、お笑いです。
「(農薬など飼料に添加、混和される物質が)人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて残留する食品は、これを販売の用に供するために 製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、又は販売してはならない。ただし、当該物質の当該食品に残留する量の限度について第一項の食品の成分に 係る規格が定められている場合については、この限りでない」(食品衛生法第11条)
ま、たとえ毒薬であっても、「基準値」を決めれば大丈夫という、「技術的ごまかし」ですね。
なお、上記厚労省通知をみると、農薬がすでにありとあらゆる食品に入り込んでいることに慄然とします。豚肉など肉類にも!
日本の農家は農薬が大好き。この改正を受けて、グリホサート使用量もこれまで以上に増加することでしょう(今だって、日本の農薬使用量は世界一と言われています)。日本の農家は、常に農協による一元的な農業支配と洗脳を受けています。その結果、たとえ毒性があっても「無視できるレベル」と考えているのでしょうが、いい加減に目をさましてくれ。このままでは、国産小麦や麺、お菓子なども安心して食べられなくなる。2018.8.21