一介の市議が「国会議員のおかげで産廃が誘致できた」と誇らしげに報告し、当の国会議員もそれを否定しないとしたら、そこには「国策」があると判断できます。国会議員の口利きを許し、産廃事業者をバックアップするという違法な国策が。そして、その「国策」を実行するには、地元の議員と結びつきが深く、面の皮がの厚い族議員るが不可欠。
片山さつき議員と御前崎産廃を結びつけるものは、やはり「原発」でした。彼女は2012年1月、浜松地区の後援会の「感想」を、次のようにつづっています。全文はhttps://blogos.com/article/30534。
- 片山さつき
- 2012年01月29日 00:35
- 脱原発の方も、そうでない方も、浜岡原発を抱える御前崎の今、知ってください!
- …福島原発の事故処理、放射能の飛散防止、除染などの道筋が政府が強弁するほどうまく言ってない現在、御前崎市の状況は、この問題の本質を考えるうえで、それも過去の経緯から冷静に考えるうえで、きわめて重要ではないか、と思い、後援会のあと、御前崎の5人の市議さんたちのおのおのの地元のミニ集会、公民館講演会などで演説させていただいた感想を、ちょっと。
- 静岡県内では、牧の原市などを皮切りに、続々と、浜岡原発の永久・半永久停止を決議しています。(中略)
- 当面のことだけ考えれば、長期にわたって原発をとめたままにすると、今でも減っている仕事、中電ももたせ続けられなくなり、3万2千人の町の経済・雇用は「持たない」と、ある市議さんは率直におっしゃってました。しかし、福島で起きたこと、今も続いていることにかんがみれば、(…)私は個人的に、自民党が政権に復帰しても、浜岡のフル稼働はないと思うし、すべきでもないと思います。今日、私の講演会で、脱原発論を高らかに演説してらした、湖西市の三上市長ほどではないですが、私は、ゆるやかで現実的な減原発論ですし、東海・南海・東南海の南海トラフ地震の発生確率があがり、マグニチュード9を現実的に想定する事態に入ったいま、浜岡を動かす、というリスクはとり難いと思うから。
- この地域の大物政治家の秘書もされていた古参の市議さんがしみじみおっしゃってました。
- 「この町は、昭和42年に原発を受け入れる、と決議したんです。中電が建設を言ってきたのは、その翌年なんです」、と。(中略)もともとは静かな農業地域で、交通の便も悪く、過疎に悩んで決断したとも聞きます。東日本大震災のつらすぎるひどすぎる教訓を経て、同じ過ちを繰り返さない、大地震はいつか必ず来るにしても、犠牲者は出さない、再スタートできるような減災の街づくりをする、原発の制御不能状況を二度とつくらない。そのためにやらなければならないことはあまりにも多い。停止中の浜岡には、6600本の燃料棒があるんです。
- この議員は、「中電に言われて原発受け入れを決議した」のではない、と言いたいようだけど、いったん受け入れた以上、後先は関係ないからね。公害施設は常に、「誘致する人間」がいる地域に来るのです。
- また、片山は「ゆるやかで現実的な減原発論」といいつつ、突然の「浜岡原発停止」に憤慨し、地元議員の言葉を借りて「このままでは持たない」と言っています。それは彼女が「施設誘致で地元が潤う」と考える典型的な保守政治家だからで、施設がもたらす環境悪化やが住民流出などは二の次。最後の一文は、「浜岡の6600本の燃料棒(を含む核廃棄物)」の処分事業こそ、御前崎の地域を振興させる新たな計画だと考えていることを示しています。
- 御前崎産廃処分場の予定地が浜岡原発に隣接しているのは、この処分場の本当の目的を示しています。2019.8.12