風車取り壊し決定、今後も広がりそう(英) (12/31) の記事の続きです。
The Times には、もひとつ、「小さな人々へ力を」と題されたかわいいイラストが掲載されていました。
巨大な風車を、小人の国を訪れた「巨人」ガリバーに見立てて、人々の勝利をたたえていますが、海外ではこうして「反風車=反再エネ」側に立つ記事も多くなりました。相変わらず風車被害を否定し、国策に加担した日本の報道とはだいぶ違います。これは、各国で、風車反対の運動がうねりをまいているからでしょう。
ところで、あなたは巨大風車を間近で見たことがあるでしょうか。
いったん目にすれば、それが自然にも、地域にとっても、どれほど威圧的な人工物であり、決して共生できるものではないとわかるはず。その建設にどれほどの資源がつぎ込まれ、自然が破壊され、もっとも貴重な「山頂」部分(渡りのルートであることが多い)が削り取られ、水系や生態系に悪影響を与えているか。
私がウインドファーム事業を中止させたいのは、エネルギー生産、CO2削減に寄与しないのはもちろんのこと、すさまじい環境破壊を招く「不正義」の事業だからであり、また、「風車の影」で暮らさなければならない社会的弱者を生み出しているからです。こんなものを推進できるのは、再エネ利権者か、そうでなければ被害とは無縁な都市住民(再エネ教信者)だけでしょう。また、日本では風車推進派は「原発反対」「自然エネを増やせ」と訴えていますが、海外では、風車反対派が原発推進を求めるというねじれ現象が起きています。それだけ、風車による被害と社会破壊に対する住民の怒りが高まっており、抵抗も激しくなっているからでしょう。それに対し、日本の住民は、関心がないのか被害に耐えて沈黙しているのか、抵抗運動はあまり聞きません。
下は昨秋のニュースです。
琵琶湖「夢風車」撤去、市民は無関心? パブコメわずか1件 : 京都新聞
www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20171123000023 2017年11月23日
2014年4月から停止している滋賀県草津市下物町の風力発電施設「くさつ夢風車」について、撤去する方針を示した市の素案に対するパブリックコメント(市民意見公募)が低調だ。募集開始から20日を過ぎ、寄せられた意見はわずか1件。琵琶湖岸に立つシンボルは行方が注目されただけに、担当課は「関心は高いはずだが思った以上に少ない」と気をもんでいる。夢風車は市が01年に建設した。相次ぐ故障や風力不足により建設費を含む赤字は昨年度末で2億4600万円に膨らみ、市の諮問を受けた環境審議会が橋川渉市長に「撤去(廃止)すべき」と答申していた。
無関心と同時に無知のようです。最後は22人からパブコメが寄せられていますが(http://www.city.kusatsu.shiga.jp/shisei/publiccomment/kekka/kankyogomiseikatsu/pubcomme.files/H29_jissikekka_bessi.pdf)、それを読むと、「再稼動せよ」「次世代によいエネルギー」「最新施設で建て替えを」などの意見があるのにびっくり。だって、廃止の理由は、風力の見込みが間違っていた、度重なる故障で修繕期間(停止時期)が長引いたなど、本来なら事前に採算性ゼロと判断できていた事業です。草津市がその赤字のつけを市民に回そうとしているのに、それに怒りもなく再稼動? 納税者なら、NEDOの補助金がつくから、とやったこともない「売電事業」などに手を出して失敗した草津市の責任を、とことん追及すべきだと思うんですけどね。2018.1.3