農村地帯なのに、がれきに反対の声ひとつあげようとしない地域、それが富山県。でも、そこにようやく、しっかり「反対」と声をあげる住民が登場してくれたのですが・・・。
がれきの試験焼却に反対
NHK:11月21日 20時19分
19日、富山市などでつくるごみ処理の事務組合が東日本大震災で出たがれきの試験焼却を行うことを決めたことを受けて、21日市民グループが富山市役所を訪れ、試験焼却に反対する声明文を手渡しました。富山市役所を訪れたのは事務組合の焼却場がある立山町や灰を処理する最終処分場のある富山市などで活動する9つの市民グループのメンバー合わせて11人で、市民生活相談課の担当者に事務組合の理事長をつとめる市長に当てた声明文を手渡しました。
この声明で市民グループは試験焼却について、放射性物質が含まれていないか不安が残るとしたうえで、焼却場の周辺地区と事務組合との間で結んだ「公害防止協定」に違反するとしていて、事務組合に中止を求めています。市民グループ、「富山地区広域圏のごみを考える会」の山形ムツ子さんは「試験焼却が実施されると私たちの地域に放射性物質が拡散されるおそれがある。未来の子どもたちのためにも試験焼却は絶対に嫌だ」と話していました。一方、富山市は「決定した方針にそって粛々と試験焼却を進めていきたい」としています。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/3063638211.htm
この記事には書かれていない、外からはわからない裏事情が・・・・。この反対声明は、当初、もっと多くの団体が賛同署名するはずでした。ところが、かなりの団体が、18日、突然、署名から「降りてしまった」のです。理由不明。「人間関係」と答えた人もいたとか。人間関係が壊れるくらいなら、がれきを受け入れる、って?
このため、当初、署名代表だった人が怒って代表から降りたため、別の人が代表になったのですが、騒ぎはこれだけでとどまらず。翌日19日、この騒ぎを見守っていたかのように、富山市が試験焼却をすると発表し、地域を驚かせたのです。でも、これ、反対声明が出るという情報を受けて、反対声明を抑えるために事前発表したフシがあります・・・おそらく、この情報がどこからか行政の手にわたったのでしょう。
それに、この記者会見と同じ時間帯に別の団体が記者会見を開いたというから、この「反対声明」は、むしろ「反がれき」から攻撃されていたようなもんです。ま、運動もいろいろ。そろそろ市民運動だって、ホンモノとニセモノが明らかになっていい。みなさん、くれぐれも、行動で見極めて下さいね。
おっと、一番大事なこと。「粛々と試験焼却を進める」って、森さん、それは違法だからね。協定は遵守義務があるのだ。法律や契約をちゃんと守らんかい。あんまり富山賢人をばかにするんじゃないっ! (なお、「粛々と」とは、「人にわからないようにこそこそと」という意味だからね。ほんと、レベルが低い。)。2012.11.23
富山、焼却炉周辺住民が反対声明
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/