化血研がすべての製造停止中・・・地震被害で

 昨年暮れ、40年以上にもわたって違法な製剤を続け、「常軌を逸した隠蔽体質」が大きく報道された化血研――実際は、かなり前からわかっていた問題をその頃ようやく報道したーーが、地震の被害で製造が完全停止しているそうです。
化血研が地震被害 ワクチンなど全製品製造できず
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160420/k10010490241000.html
 熊本市にある医薬品メーカー「化血研」は、一連の地震で製造設備に被害が出たためおよそ80種類に上るすべての製品が製造できなくなりました。再開の見通しは立っていないということです。
 熊本市にある医薬品メーカー「化血研」、「化学及血清療法研究所」によりますと、今月14日からの一連の地震で、熊本市北区や菊池市それに阿蘇市の製造拠点 で、排水管が破断するなどの被害が出たということです。このため、ワクチンや血液製剤それに動物用の医薬品の、合わせておよそ80種類に上るすべての製品が製造できなくなっているということです。
 化血研は、国の承認とは異なる方法で血液製剤を製造し、不正を隠すために製造記録を偽造するなど組織的に隠蔽を図っていたとして、来月6日まで業務停止処分を受けていますがほかに代替できるものがない一部のワクチンや血液製剤は製造を続けていました。化 血研は設備の復旧作業を進めていますが、今のところ製造を再開する見通しはたっていないということです。製造ができない製品には、需要が高いA型肝炎ワクチンや狂犬病ワクチンも含まれていて、化血研は「在庫の量などについて調査を続けていて、対応を急ぎたい」と話しています。化血研で医薬品の製造ができなくなっていることについて、厚生労働省は「現地では職員も被災し、すぐに製造が再開できない状況だと聞いているが、医薬品の在庫はおよそ半年間分あるので医療現場への影響はないと考えている」と話しています

 この事件については「第三者」による調査委員会の報告までしかお伝えしていませんが、国は約半年の「業務停止処分」で事件の幕を引こうとしたようです。しかも、動物や人のワクチンは製造し続けていた・・・人のワクチンから問題が発覚したのに。また、歴代理事長ら幹部が直接関与した、悪質な不正製造、隠蔽事件であることが、調査報告書でもあきらかになったのに・・・ほんとは、企業を解散させるべきでした。もともと731の残渣を引き継いでいること、エイズの原因企業、その後に本格的に始まった不正製造と隠蔽行為など、この企業は体質を改められないと思われるからです。ま、他の公害企業だって似たようなものですが。国が企業を抑えられないのに対し、自然が鉄槌を下したような・・・「復旧太り」も懸念されるし、これを機会に医薬産業界から手を引いてほしいというのが私の考えです。(ちなみに「熊本地震」関係は別ブログに書いているので、どうぞご覧下さい)。2016.4.23
下はこの件の過去記事:
インフルワクチンで化血研の薬事法違反明らかになる … 2015/10/21 –

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/