全国再エネ問題連絡会に参加して

6月4日に行われた「全国再エネ問題連絡会」第一回に参加してきました。・・・この件は、産経新聞が、すぐ、大きく報道してくれたので、紹介しておきます。https://www.sankei.com/article/20220604-APX52OWPHFIGZGFZTVAUYOPYIA/

再エネ大規模開発「法規制を」 住民の全国組織 初の全国大会 2022/6/4 18:24

「全国再エネ問題連絡会」の第1回全国大会=4日、東京都世田谷区の烏山区民会館
「全国再エネ問題連絡会」の第1回全国大会=4日、東京都世田谷区の烏山区民会館

太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの大規模開発をめぐって、住民団体の全国組織「全国再エネ問題連絡会」が4日、東京都世田谷区のホールで初の全国大会を開き、約160人が参加した。大会では「全国各地で取り返しのつかない乱開発が起きている。政府に問題解決に向けた法整備を求めていく」などとする声明を出した。同会は昨年7月に結成され約40団体が参加。この日は宮城県丸森町の太陽光発電をはじめ、北海道の風力、岩手県大船渡市の太陽光、埼玉県飯能市の太陽光、長崎県・宇久(うく)島の太陽光・風力の各住民団体が開発の現状や法の不備を訴え、「これまで通りの生活がしたいだけ」「沈黙は賛成と同じ」などと住民の声を紹介した。

有識者や政治家らによる討論では、同会の山口雅之共同代表が、環境エネルギー政策研究所の山下紀明主任研究員に対し、森林を大規模に破壊しての大規模太陽光・風力発電に対する研究所の見解を質問。山下氏は「われわれは持続可能な再エネの話をしてきており、自然共生型ができないか考えている。今、大規模に開発しているメガソーラーなどを積極的に推進したことは一回もないし、これからもない」と述べた。山口氏は「そのお答えをいただき、きょうの大会を開いて本当によかった。私たちと思いを共有できるのは本当にありがたい。今後の法改正にもお力をいただきたい」と応じた。

再エネをめぐっては、菅義偉前首相が2050年の「カーボンニュートラル」を宣言。政府が「再エネの主力電源化」を掲げる中で発電事業が大規模化し、景観や自然破壊、健康被害など地域住民との合意形成が各地で問題化している。国も4月から、経済産業、環境、農林水産、国土交通の4省による有識者会議「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」で検討を進めているほか、与党の「真の地産地消・地域共生型エネルギーシステム推進議員連盟」が法規制などを検討している。

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 記事で「環境エネルギー政策研究所」の発言をとりあげているのは、この研究所(飯田哲也所長)が極めてアグレッシブな「再エネ推進」をうたい、各地の風発やソーラー設置に大きな役割を果たしてきたからです。彼らの目的は、一刻も早い「再エネ100%の電力供給」システム作りであり、そのために環境保護などはほとんど眼中にありませんでした。山本も、当時、「エネルギー確保のためなら、多少の環境破壊は仕方がない」という発言を耳にし、「許せん」と思ったものです。しかも、今は、世界の再エネ推進グループのフロントランナーとして自然破壊に手を貸しているというのが私の認識。なのに、ここでは、しゃあしゃあと「メガソーラーなどを積極的に推進したことは一回もないし、これからもない」というのだから驚き(その他の発言も突っ込めたんですけどね、他のパネリストの手前もあって、おとなしくしていました)。

 なお、この日、私が参加者に伝えたかったのは、今の再エネの「現地」は、そのまま廃棄物処分場と化す可能性が非常に高いということでした。有害物質を多用しているため、焼却処理もできず(焼却→重大な環境汚染を招く)、特段の規制がなければ、使用済み再エネを「放置」するのは、事業者にとってベストの選択肢だからです。経過はどうでも、再エネの設置をいったん「OK」してしまうのは、住民自ら、その地域の明日を否定することになるわけ(だから地域には理性的で先が読める代表者が必要!!)。

 でも、この大会で、各地の「開発の実態」と、それでもめげずに戦っている、たくさんの「再エネ反対闘士」に会うことができたのは何よりでした。一人ひとりの「反対派」がどれほど深い思いで地域の明日を懸念しているかを考えると、本当に胸に迫るものがあります。でも、住民運動の勝利は、いろんな背景と意思をもつ人々の「何とか止めたい」という意思がひとつになって、初めて得られるものです。そこに至るまではいろんな波風を超える必要があるでしょうが、負けないで。山本も改めてこの問題に取り組み、みなさんをサポートします。20226.6

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/