世界への謝罪:WHO大会で、厚生副大臣

 日本の政府高官が、国際社会に向けて、初めて原発事故について「謝罪」したそうです。
 世界保健機構(WHO)総会と、福島原発事故について討議する特別会議の席上でのこと。大塚耕平副大臣は、ここで「深くお詫び申し上げます」と発言したそう。
 日本が放射性物質汚染を陳謝 WHO総会で
 【ジュネーブ共同】厚生労働省の大塚耕平副大臣は17日、世界保健機関(WHO)総会の全体会合と福島第1原発事故に関する特別会合で「大気、海洋中に大量の放射性物質を放出したことについて、国際社会の一員としておわび申し上げます」と陳謝した。大塚副大臣はその後行った記者会見でも「WHO加盟国との2国間会談でもおわびを伝えた」と表明。特別会合での説明で「冷却設備が津波により破壊された、という事実が意外と知られていないことが分かった」と語った。2011年5月18日 09時23分
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20110518/Kyodo_OT_MN2011051801000142.html
 日本政府初の正式謝罪ですが、なぜ総理自ら「メルトダウン」と、世界への放射能拡散について謝罪しないのか。おそらく、米の許可が出ていないのでしょう。ちなみに、このニュースは、アメリカでは報道されていないようです(どんなキーワードを入れても、検索にひっかかって来ないという意味)。
 私はこのニュースを、中国のネットで知りました。それによると、大塚氏は、「政府は放射能の影響を受けた地域で長期の健康調査を行うつもりだが、追跡調査を行う人数や実施方法はまだ決まっていない。今後、各地の放射能測定値によって範囲を決める」とも述べています。さらに、
 「放射能によってガンや白血病の患者が増えるとは考えていない」
 「現段階では、放射能による死者はゼロだ。しかし福島第一原発の全職員に対し、厳格な監督が必要だ」http://news.cqnews.net/html/2011-05/19/content_6394049.htm

 とも述べたとのこと。やはり、「さしせまった危険はない」と言いたいわけですね。でも、現実には作業員の18パーセントがすでに体内被曝を受けているし、放射性物質の排出は止まっていないのです(それもTEPCOの発表、実際は?)。それでなぜ「ガン死は増えない」と言えるのか。そろそろ国民に事実を告げるべき時なのですが。2011.5.19

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/