フクシマの子どもの甲状腺異常

 子どもたちの体にはすでに「異変」があることが報じられています。6月にはすでに子どもの尿からセシウムが発見されていたから、状況は悪化の一方ではないのでしょうか。
 福島の子供130人中10人の甲状腺に異常
 腫瘍ができる可能性も  名誉院長「被曝の可能性捨て切れない」
 
2011/10/04(火) 
http://www.shinmai.co.jp/news/20111004/KT111003ATI090018000.html
 認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と信大病院(ともに松本市)が、 福島県内の子ども130人を対象に今夏行った健康調査で、10人(7・7%)の甲状腺機能に変化がみられ、 経過観察が必要と診断されたことが3日、分かった。福島第1原発事故との関連性は明確ではない。 旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)の被災地では事故から数年後に小児甲状腺がんが急増しており、 JCFは今後も継続的に検査が受けられるよう支援していく方針だ。
 調査は事故から逃れて茅野市に短期滞在していた子どものうち、希望者を対象に 7月28日、8月4、18、25日に実施。130人は73家族で生後6カ月〜16歳(平均年齢7・2歳)。 医師の問診と血液検査、尿検査を受けた。 甲状腺は成長に関するホルモンをつくる。今回の調査で1人が甲状腺ホルモンが基準値を下回り、 7人が甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。甲状腺機能低下症と診断された例はなかった。 信大病院の中山佳子小児科外来医長は 「現時点では病気とは言えないが、経過観察の必要があるので、再検査を受けるように伝えた」としている。 (以下略)
 なお、これらの子どもたちは「疎開児童」です。福島県やその周辺にとどまっている子どもたちが、置かれている状況に胸が痛みます。「検査」ではなく、何かしら手を打つべきなのに、日本政府が「観察」だけを指示しているとしたら(原爆被害者のように)犯罪的です。

 また十月には、横浜でも初めてストロンチウムが測定されていますが、これも市民の通報でわかったこと。政府はまずいことには頬かぶりで通すことに決めているようです。
 (写真は、福島の放射能調査の後に訪れた、下北半島の薬研温泉付近の秋景色。汚染などまったく知らなげな、東北の秋の、悲しい美しさ。)2011.10.29

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/