フィリピンから「ごみ焼却禁止法を守って」と署名のお願いが入りました。ごみ焼却の禁止? と聞いて驚く人もいるでしょうが、焼却炉が有毒物質の発生源(注:単なる排出源ではない)であることは、よく知られた事実。市町村単位でごみ焼却を禁止している例は珍しくありませんが、フィリピンは別格。法律(Clean Air Act)でごみ焼却を違法としている唯一の国なのです。でも、これをよく思わないのが日本を初めとした先進国。ごみや焼却炉を輸出するために、何度もこの法律を骨抜きにしようとしてきました(日本の有害ゴミがフィリピンで発見され、送り返された例がありましたね…)。今回も同法改悪を狙う動きがあり、それに環境団体が共同してEcowaste Coalition 反対しているのです。以下は署名文の超簡訳。署名フォームは一番下につけました。2014.5.30
「焼却炉禁止令を支持してください」
私たち署名者は、フィリピン上下院が、自然に調和した、均衡ある健全な生態系の中で暮らすための、人々の譲れない権利を守り・促進するために定めたフィリピン環境法(RA
8749 or Clean Air Act and Ecological Solid Waste Management Act of
2000: RA 9003)で義務付けている、ごみ焼却炉禁止令を支持するよう求めます。私たちは「ごみ発電」を含むいかなるごみ焼却炉にも反対します。なぜなら、ごみ焼却炉は:
・安全どころか、人々の健康にも環境にも危険だからです。最先端技術を用いた焼却炉でも、ガンや呼吸器系の病気、を引き起こし、環境を汚染するダイオキシン類、フラン類、重金属類など無数の有害物質を排出しているからです。
・気象変動に壊滅的な影響を与え、政府に求められている気象変動防護の義務に違反するからです。資源を破壊するだけでなく、資源採掘から加工、生産、輸送、製品の廃棄に至る、終わりのないサイクルがくりかえされ、その過程で大量の二酸化炭素(温暖化ガス)が発生します。
・ エネルギーのムダ使いであり、リサイクルやコンポストと両立しないからです。焼却炉で紙やプラスチックを燃やして得られる電力はごくわずかですが、リサイクルやコンポストなら、焼却の3~5倍のエネルギーが節約できます。
・焼却炉はもっともコストが高いごみ処理法であり、税金のムダ使いだからです。欧米におけるコストは1億5千万ドル。その資金があれば、何千ものリサイクル施設を建設したり、バランガイの非正規ごみ収集者を雇用し、その生活を安定することができるでしょう。
・なお処分場が必要だからです。焼却炉は有毒な焼却灰やPM2.5を発生させるので、それらを適正に処理・保管し続ける必要があります。
・市町村のごみ分別・減量の努力を無にするからです。焼却炉にはごみが必要なので、市民はごみ減量どころか、さらに多くのごみを出すことが奨励されます。
・フィリピンに再び焼却炉を持ち込むことは、我が国も調印した、「難分解性有機汚染物質(POPsーダイオキシンなど)に関するストックホルム条約」に違反するからです。同条約は調印国にPOPsの削減と、その非意図的発生を最小にするように求めています。
・焼却を止め、ゼロウェイストを求める動きが世界的に強まっているからです。アメリカでは、住民の強い反対や、リスク・コストの面から、1997年以来、新しい焼却炉は建設されていません。
私たちは、議会が上記関連三法を承認した時、問題の根本原因に目を向けた議員各氏の広い視野と勇気を賞賛しました。ゴミ問題の解決は、一部議員がもちこもうとしている近視眼的な焼却炉政策にはなく、これらの画期的な法律に規定された手法を、全面的に、忠実に実行することにあります。
どうぞあなたの署名をお願いします。そして、フィリピン議会に、ゴミ焼却炉禁止の法律を支持し、フィリピン人民の尊い環境権を守り、憲法及びRA
9003 and RA 8749(関連法)を実行するよう、共に求めていきましょう。焼却炉に「ノー」と言ってください。
(署名サイトはここ↑ 焼却大国・日本の署名はインパクトがあるので、拡散してね! ちなみに、ウラオモテが激しい日本政府は、POPs条約に調印、批准しても、平気で焼却炉を建てまくっています・・・自治体と市民が無知なのが決定的なわけです。)