バズビー氏、怒る

 イギリス、インディペンダント紙の 「フクシマはなぜチェルノブイリより悪いか」という記事、もうお読みになったでしょうか。「この事故による死者は今後100万人以上になる」という、英・アルスター大学のクリストファー・バズビー氏の衝撃的な言葉が紹介されているからです。
 日本語の紹介は→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110901-00000008-scn-kr
 原文はこちら→http://www.independent.co.uk/news/world/asia/why-the-fukushima-disaster-is-worse-than-chernobyl-2345542.html   
 彼は「欧州放射線リスク委員会」の科学委員長。以前、ご紹介したカルデコッと博士とほぼ同じスタンスの、信念をもった「反核学者」です。すでに日本語入りの動画がアップされていますが、この↓インタビューは必見です。http://www.youtube.com/watch?v=-Xt_rpLrJo4
 ★日本政府の過ちは犯罪的だ。子供たちさえ避難させていないのだから。
 ★第二次大戦時のユダヤ人大虐殺も、政府組織が誤った決定を下し、行政がそれを実行したが、今やっていることも戦争犯罪と同じだ。後に裁かれることになるだろう。
 ★政府といえども個々人の集まりで、個人個人の責任が問われることになる。
 ★ICRPの数値は役に立たない。彼らは内部被曝の効果について誤った予想を出すだろう。
 ★裁判の証人に呼ばれても、来日はせずビデオ証言にする。放射線量が高すぎて、私自身が怖いからだ。今回の計測値は想像以上で、ショックだった。
 ★生活は何も変わらないように見えても、そこにある放射線は人を殺すだろう。放射線物質が空気中に漂っていて、人の体内に入ることが問題なのだ。それを知っていると、原発の近くには行きたくない。チェルノブイリに行ったため、多くの同僚が死んだ。
 ★車のエアフィルター調査によると、空気中のセシウム137の濃度は、核実験がピークだった1963年の1000倍だ。これはかなり深刻だ。1963年には乳児死亡率が上がり、その20年後に世界中でガンが増えたのを、私たちはみな知っている。東京南部もかなり汚染されているだろう。
 ★放射線の高い地域の人々―特に子どもはー避難が必要。汚染のひどいところは立ち入り禁止にすべきだ。
 ★政府は急いで汚染地図を作らなければならない。人々に正しい情報を与えるために
 ★汚染地にとどまる人々は保障されなければならない。原子力業界(日本・世界)に保障を求めることだ。
 ★世界じゅう金を集めてでも施設を囲まないといけない。地下も上も。今も大量の放射性物質が刻々と垂れ流され続けているからだ。このままでは北日本は使えない土地になり、世界中にも汚染が広がってゆくだろう。これはグローバルな問題だ。
 ★大気のモニタリングも必要だが、日本政府はすべての核種の濃度を公開していない。ストロンチウム90、トリチウム、プルトニウム、ウランなど。公表しているのはセシウムだけ、これは深刻な事態だ。
 ★(米軍が劣化ウラン弾を使用した)ファルージャでは、毛髪からウランが検出された親からは、とても高率の奇形児が生まれている。ガンの率も非常に高かった。
 ★フクシマは晴天の霹靂だったが、いまだに想像もできない状況が続いている。
 ★今後、人々は「専門家」を疑問視するようになるだろう、私に言わせれば、現在の「科学者」は企業の手先のようなものだ。
 ★原発事故は、人間にとって重要なものは何かということを問題提起している。これを機会に人々は考え方を変えてほしい。
 ★世界には、他にも、携帯電話、GMO、地球温暖化などたくさんの問題があり、政府は科学者に頼っている。しかし、私のメッセージは、科学者はウソをつくということです。
 最後の一言を言う時(太字部分)、彼は体をずらしてカメラにはっきり顔を向けました。まさに。私たちは政府・企業の責任とともに、学者の責任を追及しなければ、同じような悲劇はこれからもくりかえされるでしょう。2011.9.2
 カルデコット博士については、こちらを↓

フクシマ:チェルノブイリの何倍も悪い 1
2011/05/29 投稿者: 管理人  ID: 318

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/