トランプは風力発電が大嫌い

 アメリカ次期大統領のドナルド・トランプ氏は大の風力発電嫌いだという話。できれば今後、再エネ見直しにつなげてほしいところですが・・・

 以下は英BBCの11月22日付けニュースの概略(原文:http://www.bbc.com/news/uk-scotland-north-east-orkney-shetland-34471449)

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 NYを訪れたイギリスの二人の政治家、Nigel Farageと Andy Wigmore(二人ともBrexit-EU脱退の中心人物)は、次期大統領トランプ氏と会談した際、風力発電について語ったと述べた。

「彼は美しいスコットランドの風景を傷つけている『恐ろしい』風車が大嫌いだ」「今のような風車建設のやりかたに反対するキャンペーンをすべきだとも言った」「彼は風車に対していわれのない恐怖を感じているー風車が大嫌いなんだ。そしてこうも言っていたよ。『窓から外を見て、そんな風車が見えるとまったく腹が立つ。これをなんとかしなければならない。海に建てればいいだろう。なぜ美しい田舎の景観をダメにするんだ』と」。

 ニューヨークタイムズ紙が、この問題について議論があったかどうかた尋ねたところ、トランプも「この問題を取り上げるた」と答えた。

ウィグモア氏によると、トランプは、スコットランドを「世界で一番美しい国」と評し、そこを「醜い風車で傷つけ」て欲しくないと述べたという。

トランプ氏はスコットランドにメニーゴルフリゾートを所有しているが、その近くの海岸に計画されていた11基の海上風車計画が、ゴルフコースの景観を傷つけるとして差し止めの訴訟を起こしていた。しかし二つの下級審で敗訴し、上訴していたが、2015年12月、最高裁は氏の訴えを全員一致で退けた。

 風力に関するこの論議について、WWFスコットランドの代表ランド・バンクスは「彼はもっとはるかに重要な問題を抱えていると思っていた」「現実は、海上風力発電は、イギリスの電力供給にすでにかなりの貢献をしている。それに、スコットランドはヨーロッパの海上風力資源の四分の一を占めていることを考えると、このクリーンパワーをもっともっと目指すべきなのだ」と述べた。

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 トランプが風車建設に反対して訴訟を起こしたのは2011年のこと。資産価値の目減りを心配する企業経営者としては、ごく当然の態度でしょう。風車の実態については今後勉強してもらうとして、問題は最後の段落のWWFの発言です。現地のWWFは、風力発電反対どころか、大推進派なわけ。 WWF(Wolrd Wild Fund、世界自然保護基金)は世界最大規模の自然保護NGOとして有名ですが、実際は企業の隠れ蓑になっており、「目的は自然保護ではなく自然破壊」とまで言われているほどです。日本のWikipediaにさえ↓のような説明があります。

ドイツ人ジャーナリストであるヴィルフリート・ヒュースマンドイツ語版は2012年、世界各地での取材に基づき、WWFの暗部を告発する著書『WWF黒書―世界自然保護基金の知られざる闇』を出版した[39]。この本によれば、WWFはモンサントコカコーラシェブロンなどの世界的な多国籍企業から巨額の資金援助を受けており、それらの企業の利益のために、自然保護よりもむしろ自然破壊に関与している、という。また、WWFは一般市民や企業からの寄付金の使途について、8%が管理費用に使われ、他の多くの部分は活動費(project expenses)等に使用されていると称している。しかし、この「活動費」の中には有給スタッフの人件費が隠されている。実際にWWFは5,000人もいる正規スタッフへの給与だけで寄付金の50%を食い尽くしており、特に幹部クラスの報酬は非常に高く、WWF-USAのトップの年収は50万5000ドル(約6,000万円)にものぼるという[e 22] [40]

WWFはこの『WWF黒書』に対して発売差し止め訴訟を行ったが、結局差し止めはできず、一部WWF側の主張に応じた修正を経た上で、ドイツ語版の他、英語訳・日本語訳などが出版された[e 23][e 24][39]

 ま~、これまた「自然保護」と名がつけば人は簡単にだまされるという例ですが。思い起こせば、「地球温暖化問題」の当初から、再エネ・自然エネの導入を主張し、市民をだまくらかす役を担ってきたのが、WWFやFOE、GPなど世界的な自然保護団体でした。いまや、CO2-人為的温暖化説は、多くの科学者の反対を無視して実行された「政治的詐欺」だったことが明らかになっており、だから、いつのまにか「温暖化」という言葉をやめて、「気候変動」なんて言いだしているのです。

 WWFの場合、もともと「野生生物の保護」を掲げていたため、野生生物の虐殺・拷問機械というべき「風車」を推進するのは罪が重い。

 風車の巨大な翼は多くの鳥類(特に大型猛禽類)を切り刻んでいます。鳥類の被害を「バードストライク(衝突)」と称しているのは、おそらく血なまぐさい被害の現実を覆い隠すためでしょう。ネットには真っ二つに割られた鳥類の体や、首がちょんぎれたカモメの写真など、残酷な写真がたくさんあるので、検索してみてください。したがって、野生生物を保護するして寄付を集めながら、実際はその殺戮を手助けしているWWFの行動は詐欺にあたり、私が会員なら訴えますけどね。

 また、「発電に貢献した」とありますが、実際はどうでしょう。イギリスでは、政府が風力や自然エネへの補助金をつぎ込んだ結果、電気料金が高騰し、世論調査によると、38パーセントの家庭が電気料金の高騰のために食料費を削ったりしており、59パーセントの家庭が、将来、電気料金を払えるかどうか不安を感じているそうです。それ以前に、自然エネは稼働中もずっと火力などの安定電源のサポートが必要で、「自然エネだけで電力供給」というのは幻想に過ぎません。この点に関する話題もいろいろあるけど、それはまた今度。2016.12.7

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/