今日は二つのニュースを並べてみました。強調筆者。
原発事故由来セシウム濃度 東京湾じわり上昇
東京新聞 2012 年3 月2 日 07 時04 分
福島第一原発事故による影響で、東京湾の荒川河口付近の海底で放射性セシウムの濃度が上昇していることが近畿大の山崎秀夫教授(環境解析学)の調査で分かった。国は現時点で東京湾で調査を行っておらず、山崎教授は「今まさに原発事故由来の放射性物質が、首都圏の放射能濃度の高い地域を流れる河川から東京湾に届いたところ。今後の推移を見守るため、国による継続的な調査が必要だ」と指摘する。山崎教授は昨年8月以降、湾内の36カ所で海底の泥に含まれる放射性セシウム134と137の濃度(1キロ当たり)を測定している。このうち、荒川河口の若洲海浜公園近くでは、泥の表面から深さ5センチの平均濃度が8月に308ベクレル、10月に476ベクレル、12月に511ベクレルと上昇。ほかの多くの地点でも濃度は上がる傾向で、湾の中央より河口付近で比較的高い数値が測定されたという。ただ、いずれの地点も1000ベクレル以下で、国がそのまま埋め立てできるとする基準の800ベクレルを大きく下回っている。
山崎教授は、核実験が盛んだった1960年代に、河川から琵琶湖に流入したセシウムの研究データから、地形が似る東京湾へのセシウム流入のピークを1、2年後とみる。「半減期30年のセシウム137はとどまるものの、半減期が2年の134は急速に減っていくため、今後、濃度が著しく上昇することは考えにくい」とする。河口付近の四地点では、約1メートルのアクリル製の筒を使って、泥のどの深さまで134が含まれているかを測定した。その結果、最も深い場所では24~26センチで検出された。東京湾の河口付近の海底では泥が堆積するスピードは年間1、2センチ程度といい、「泥の中を動き回る底生生物によって運ばれた可能性がある。このまま放射性セシウムが河口付近の泥の中に深く潜ってくれれば、湾全体への拡散が抑えられるだろう」と話した。
山崎教授は東京湾で採取した魚介類の濃度も測定。検出限界値以下か多くても10ベクレル以下で、「このまま推移すれば全く問題のない数値だ」と指摘する。東京湾は湾口が狭く、外洋からの海水が流れ込みにくいため、閉鎖性の高い水域とされる。国は2月17日から、東京湾に流れ込む荒川で放射性物質濃度の測定を始めており、4月以降、湾内の海水や海底の泥などの本格的な調査を始める。http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012030290070441.html
核実験の際のセシウム排出量はある程度推測もできるし、そりゃ一時的でしょう。でも、フクシマは四号とも壊れ、今も施設からは煙が上がっています。政府が何を言おうと、収束なんかしていない。なのに、「上昇することは考えにくい」だの「まったく問題のない数値」だの、と、よく言えるね。これに反論する学者はいないのでしょうか?
東京でがれき処理始まる 宮古から列車で到着
2011年11月3日午前11時23分
東日本大震災で発生した岩手県宮古市のがれきが3日朝、貨物列車でJRの東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)に到着、都内での処理作業が始まった。岩手県内のがれきを東北地方以外で受け入れたのは初めて。震災がれきの広域処理第1号で、受け入れが全国に広がるかどうかの試金石となる。都は来年3月までに宮古市から計1万1千トンを受け入れ、2013年度までに岩手、宮城両県のがれき計50万トンを処理する方針。午前8時すぎ、がれきが入った7トン積みコンテナ3個を同駅で列車からトラックに積み替え、大田区などの破砕施設に移送。施設では、計量後に作業員が重機や手作業で金属や木材を選別。
http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/lifestyle_human_interest/512030.html
それなのに、とうとう東京ではがれき処理が開始されました。これって、必ず将来の問題になるから。それに、神奈川県ではきちんと分類し、破砕して持ち込むと言ってたがれきは、東京では破砕と分別も手作業で行うとのこと。破砕時にも、焼却時にも、そして灰処理時にも、大量の放射性物質を含む微粒子が飛び交います。時あたかも花粉の季節。あの老体に汚染空気を全部吸わせてやりたい。2012.3.2
セシウム濃度上昇、東京でがれき処理
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/