がんの主要な原因は大気汚染、WHO再確認

 「がんもその他の病気も遺伝のせいではない。主な原因は環境汚染です」。これは私が講演会などでよく言うセリフです。汚染環境とは、水や空気だけでなく、直接体内に取り込む食品(GMOや農薬漬け生産物など)や薬剤・ワクチンなども含まれますが、中でも逃れられないのが、大気の汚染。PM2.5やナノPMに付着した化学物質が、広範囲に汚染を広げ、地球上すべての生物がーー程度の差はあれーーその影響を受けます。今日は、こんなニュースを見かけました。

がんの主要な原因は大気汚染、WHO

2013
1017
22:39 (AFPBB News)
 News
http://topics.jp.msn.com/world/general/article.aspx?articleid=2128910

AFP=時事】世界保健機関(WHO)は17日、屋外大気汚染をがんの主要な原因と分類すると発表した。WHOの外部機関「国際がん研究機関(International
Agency for Research on Cancer
IARC)」のクルト・シュトライフ(Kurt
Straif
)氏は「われわれが呼吸している空気自体が、発がん物質で汚染され続けている」と述べ、今や屋外大気汚染は全般的な健康への主要リスクのみならず、がん死亡の環境的な要因となっていることが分かったと明らかにした。IARCの報告によると、一流専門家チームは、大気汚染にさらされることが肺がんの原因となり、膀胱がんリスクも高まるという「十分な証拠」を得たという。大気汚染の組成や、大気汚染に人がさらされる程度は地域によって大きく異なるが、IARCが導いた結論は地球上のすべての地域に当てはまるという。大気汚染が呼吸器や心臓疾患リスクを高めることは、既に知られている。IARCによると、近年、急速な産業発展を遂げる多人口国家を中心に大気汚染への露出が著しく増加している地域がみられるという。最新となる2010年のデータによれば、大気汚染が原因の肺がんにより世界で223000人が死亡している。これまでIARCは、個々の化学物質や、ディーゼル車の排ガス、溶剤、金属成分、ちりなど大気中に含まれる混合化学物質の計測を行ってきたが、今回の発見は大気質そのものを対象に導き出した結論だ。

 何を今さら。多くの国ではこれは常識だし、特に子どもへの悪影響から、空を汚す焼却炉が嫌われているのですが、焼却炉大好き日本人は驚くかもしれません。
 でも、このタイミングでこの記事は、なにか魂胆がありそう。
 どんな魂胆って? それは「多人口国家」という表現や、黒煙をあげる中国・山東省のセメント工場の写真から、読み手に「中国は世界の汚染源」というメッセージを送ろうとしていることがわかります。こうして、ゆるい環境基準に引かれて生産拠点を中国に移し、ワイロと脅しで地方高官を抱きこみ、経済最優先の思想を植えつけたグローバル企業の責任を「無し」にしようというわけ。
 WHOがIAEAと同盟関係にあることを知る人は、この記事に不穏なものを感じるかもしれませんね。でも、中国の大気汚染は主に生産(工場排ガス)によるもので、それは、日本の四大工業地帯で青空が戻ったように、なんとかなります。どうにもならないのは、アメリカが各地で展開している化学兵器(シリアも含め)やケムトレイル、メキシコ湾の重油流出、そして日本が海や空に吐き出し続けている放射性物質による汚染の方。そこに目を向けさせず、中国を諸悪の根源でもあるかのように非難するのは、来たるグローバルウオーの「正当性」をアピールする狙いもあるのでしょう。まずいね。2013.1018
 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/