6月7日、私にしては珍しく、映画を見に行きました。とても長いし(一部124分、二部91分)暗い題材だから観客は少ないだろうと思っていたのに、30分前に着くともう満員。で、整理券をもらって待つこと30分。幸い、入場、席も確保できました。
この映画、「記憶と生きる」は、ジャーナリスト、土井敏邦氏によるドキュメンタリー。韓国の「ナヌムの家」で、人生の最後を肩を寄せ合って生きる元慰安婦たちの姿を記録した、静かな、そして深い、告発の映画です。
ある程度、社会的関心がある人なら、「慰安婦問題」を知らない日本人はいないでしょうが、多少とも実態を知る人はごく少数だと思います。それは、「日本の戦争犯罪」に関する情報は、政府・右翼・メディアの共同コントロール下にあり、隠蔽され、過去のこととされているからです(「国家間の解決」をもって個人の被害も解決済みとし、被害補償を逃れた)。この構造の中から、「慰安婦制度は必要だった」なんて発言も飛び出してくるわけです(2013年、大阪市長ハシゲ)。映画の中身は、私が説明するより、ぜひ劇場でご覧下さい。
ドキュメンタリー映画『”記憶”と生きる』7月4日から公開 | Fight for …
この日は監督の土井さんのトークもありました。不器用だけど誠実、常に弱者に寄り添う姿勢は、今の日本では珍しいタイプかも。どうぞ、応援してあげてください。
当日の熱気で、陸川の「南京!南京!」(中国映画-『南京!南京!』 – YouTube)を見た時のことを思い出しました。これは、侵略軍に征服された街と、そこに住む人々の過酷な運命を追った映画ですが、逃げ遅れた何万もの人々が避難し、「国際安全区」と呼ばれていたのが、試写会場の南京大学でした。しかし、日本軍はそこにも夜な夜な慰安婦狩りにやってきた……南京には当時、慰安所が数十もあったといいます。
慰安婦を否定している安倍政権、戦争法案が通れば、「次の戦争」でも泣かされるのは婦女子です。2015.6.9