福井県敦賀市が、突然、がれき試験焼却(3トン)を発表したのは10月22日。事前に市民に知らせることもなく、一方的に25日搬入、26日(本日)焼却を伝えたのです。幼い子は避難、大人もマスクで自衛が必要です。そうしないとこの国の行政は市民を守っちゃくれないからね。
ところでこの試験焼却については、岩手県と敦賀市は10月19日付けで契約書を交わしていたことを、知人のジャーナリストが電話取材(0770-21-1111敦賀市担当山本課長)で聞き出してくれました。そこにいたるまで、敦賀市の職員が岩手に足しげく通っていたことも。ただし、職員が伝えたのは、正式名称「災害廃棄物試験処理業務委託契約書」と日付、契約者名だけで、後は「近くHPで公開します」と説明を避けて逃げた模様。それから今日まで、この契約書は、同省のHPにも岩手県のHPにもアップされていません。
それまで、震災廃棄物の処理は、まず県同士が協定書を結んでがれき処理の大枠を決め、その後、受け入れ希望の県が各市町村と調整するという運びだったから、どうもやり方が変わったらしい。で、そこを調べていたら、思いがけない文書にぶちあたりました。今年7月付けの環境省の「事務連絡」です。
事務連絡
H24年7月26日
関係県廃棄物行政主管部(局)御中
環境省廃棄物リサイクル対策部
廃棄物対策課
北陸エリヤ広域処理推進会議(仮称)の開催について
東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理につきまして、平素より格段のご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。北陸エリア関係県につきましては岩手県の災害廃棄物の受け入れについて最優先で広域処理の実現を図るとして調整を行ってきたところです。今般、北陸エリヤにおける受け入れを希望する広域処理対象物の量及び種類について、岩手県としての具体的な案が固まったことから、岩手県、北陸エリヤ関係県、関係県内で災害廃棄物の広域処理を検討いただいている市町村・一部事務組合及び環境省による今後の円滑な受け入れに向けた調整を促進するための情報提供・意見交換等を行う場として下記のとうり「北陸エリヤ広域処理推進会議(仮称)」を開催することといたしまた。
貴県におかれましては、業務多忙の折、まことに恐れ入りますが、なにとぞご参加のほどをよろしくお願いもしあげます。また、該当市町村に対し、貴県からご連絡方よろしくお願いします
記
1.日時 H24年7月30日(月) 14時~16時
2.場所 富山県富山市千歳町1-3-1 パレブラン高志会館2階
3.対象 北陸エリヤ関係県及び関係県内で災害廃棄物の広域処理を検討いただいてる市町村・一部事務組合の廃棄物担当者
4.次第(仮)
・本会議の開催趣旨について
・岩手県からの北陸エリヤに対する広域処理要請量及び種類について
・円滑な広域処理の実現に向けた今後の受入調整の進め方(北陸エリヤにおける受入に向けた調整等)について
5.会議申込み
出席者の所属・氏名等につきましては別添出席登録票に必要事項を記載の上、H24年7月27日(金)正午までに、Emailにて下記連絡先にご連絡お願いします
<連絡先>
環境省中部地方環境事務所
廃棄物・リサイクル対策課 担当 山本 渡辺
電話052-955-2132 FAX052-951-8889
E-mail REO-CHUBU@env.go.jp
表面上は、この後8月7日に出された「新・工程表」をベースに、エリア全体で受け入れを促進しましょうという、まったく無害なお知らせに見えます。でも、8月以降、受け入れに意欲を示す自治体や、試験焼却や本焼却に積極的な自治体が増えたことを考えれば、そこにはエサが用意されていたのでは、というのが私の直感。物事は、表の会議だけで決まるわけではないからね。今、環境省に問い合わせていますが、果たして正直に答えるか。2012.10.26
「北陸エリア広域処理推進会議」って何だ?
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/