「イランが米国と交渉しない理由」ーイラン攻撃の本当の目的⑤

「イランの立場」はなぜ報道されないのか

日本では、アメリカ‐イラン戦で、イランは劣勢にあるように報道されています。では、劣勢にあるはずのイランは、なぜアメリカとの交渉を拒否しているのか? そう疑問を持つ人もいるかもしれません。その点で私たちが思い出すべきは、「戦争の最初の犠牲者は真実」という言葉です。メディアは、戦争報道において「事実」を伝えるよりも、ひたすらウソとプロパガンダ、そして意図的誤報を垂れ流してきたことは歴史が証明している通りです。報道統制の度合いが特に強いのは、西側軍産複合体+ディープ・ステート支配下にある国々であり、メディアは決して被害国・イランの立場、状況、声(真実)には触れません。彼らは、米・イスラエルによるイラン攻撃が、明らかな国際法違反であることも、その戦争・侵略行為の被害についても無視するよう条件づけられているのです。

 その結果、マスコミしか見ない圧倒的多数の人々には、いつのまにか「イランは悪」「攻撃には正当性がある」というような誤認識が刷り込まれてしまいます。戦争を終結させるには、トランプ+ネタニヤフの違法攻撃、日本の高市政権の戦争協力を阻止し、また「イランの言い分」をきちんと知ることが必要です。そこで、テヘラン大学のモハマド・マランディ教授がイランの立場を説明している日本語音声付きの短い動画をお勧めします。

イランが米国と交渉しない理由 https://www.youtube.com/watch?v=nqznQQji5gw  2026/03/25「米国は『建設的協議』を理由に、イランのエネルギーインフラ攻撃を撤回した。テヘランは対話を否定している。モハマド・マランディ教授がイランの立場を解説する。」 以下、氏の発言のいくつかと山本の解説( )をぜひお読みください。

「米とイランの間には話合いも交渉もなかった。これ(イラン攻撃)は人道に反する罪であり、もしイランの発電所が爆破されれば、イランは米の共犯であるペルシャ湾対岸の家族独裁政権を攻撃する。彼らはイラン攻撃のために、米軍基地を迎えいれ、米軍に自国の領土と領空を使わせており、厳しく罰せられるべきだ。「数日前、米・イスラエル軍は、重要なエネルギー基地であるイランのガス田を攻撃した。そこでイランはイスラエル、カタール、サウジアラビア、UAEに反撃し、今も攻撃を続けている。

(これが、トランプの「48時間最後通牒」と、「爆撃停止」の命令の背後にある「事実」です。イスラエルは米と共同で世界最大の埋蔵量を誇り、かつイランのガス生産の70~80%を占める、イランの「サウスパルス油田」を直接攻撃し、それによって起きた大規模火災のために、施設は停止、ガス生産も中断されたのです。これが、世界中のエネルギー危機と、原油・ガス価格の急騰を招いているわけ。しかし、国際法違反のサウスパル油田爆撃はほとんど報道されていません。動画はここ→https://www.youtube.com/watch?v=s6WJdr_QIa0から)

(つまり、トランプの「48時間最後通牒」は真っ赤なウソで、その二日前にはイラン最大の油田を攻撃し、電力供給に大きな被害を与えていました。この、イランの存亡にかかわる攻撃が、イランによる全力反撃とホルムズ湾閉鎖をもたらしているのです。罪はアメリカ・イスラエル、そしてその共謀国にある。

「ホルムズ海峡の通行量は大きく減るだろう。通行にはイランの要求を満たす必要があり、戦争加担国の原油は通行できない。この戦争はイランが始めたわけではない。西側メディアは、戦争初日に160人以上もの子供たちを殺したニュースを一週間も伏せていた。ホルムズ湾がこれまでと同様だと思うべきではない。「トランプは『イランに勝った』というが、イランは消滅しておらず、彼がいうような武器不足もない。イランのミサイルやドローン、武器工場は地下深くにあり、海軍高速艇のミサイルも地下トンネルにあるため、その反撃能力は高い。いずれイランの海軍、空軍の反撃が始まるだろう。トランプ発言はプロパガンダに過ぎない」「彼らはイランの能力を誤算していた。またヒズボラに関しても、(帝国主義に対する)抵抗軸に関しても誤算していた。もし、戦争終結を決めるのがトランプだというなら、ホルムズ湾についても彼が決めるはずで、その閉鎖をイランのせいにすべきではない。

(イランはアメリカの裏切りの歴史に学び、ひそかに米イスラエルによる奇襲攻撃に備えていました~~。そのためイランは、多くの政治リーダーを殺されても動揺しなかった。そして、このイランの姿勢は、おそらくこれまで米に搾取され、抑圧され続けてきた国々にも共通しているはず。イスラエルの残酷なガザ攻撃、そして、国際機関がその違法を止められない現状は、改めて「抑圧者との闘い」を決意させたのでは。)

「彼らはあらゆる面で失敗した。イランは現状が変わるまで抵抗し続ける。米国とは交渉しない。なぜならトランプの署名はー誰にとってもー無価値だからだ。彼の言うことは毎日変わり、交渉しながらひそかに戦争を始めたりする。これは初めてではなく、2015年の核協議も一方的に破棄した。そんな彼と何を交渉するというのか?「イランはもうはや近隣国が侵略のための基地を提供するのを許さないだろう。イランはまた、戦争のあらゆる被害のの完全な補償を求める。湾岸諸国はそのために巨額の金を支払うことになるだろう。そうしなければホルムズ海峡は通過できない。」

(これは戦後補償を念頭においた発言。イランが求める戦後補償は、必ず「エネルギー」とセットにするはずで、今の時点でうかつにアメリカ側に立つと、資源貧国である日本は重い負債を負うことになるでしょう。

「イスラエルは全土がイランの攻撃射程にあり、イスラエルはそれに対してほとんど何もできず、弱い立場にある。非常に高額な防衛システムももはや使えない。イランは基本的に、パレスチナ上空の制空権を確保している。彼ら「エプスタイン同盟」は、戦場での戦いに負け、イランの地下ミサイル・ドローン基地及び工場をひとつも破壊できなかった。だからこそ彼らは、そのフラストレーションを一般市民、学校、病院、救急施設などに向けている。そして何度も非道な「ダブル・タップ」攻撃を仕掛けている

(イスラエルが「鉄壁の守り」と誇ってきた、最先端の対空防衛システム「アイアンドーム」が、実戦で意外な弱さを露呈し、イラン側のドローンで大きな被害を出したことも米側の大きな誤算だったようです。そしてマランディ教授は大きな皮肉を込め、「彼らエプスタイン同盟は負けている」と断言。なお、「ダブル・タップ攻撃」とは、多くの人が集まる施設を攻撃した後、そこに救助のために集まった数多くの人々を対象に攻撃を仕掛けること…こういうことまでしているとは、本当に言葉がありません。・・・そして最後に、この件で最も大事なこと。アメリカ・イスラエルが攻撃の正当化のために持ち出している「核開発疑惑」について。宗教国家として、イランはこれまでずっと「核開発疑惑」を明確に否定してきました。国連もIAEAも、何度もの核査察を踏まえて、同じ結論に至っています。ではなぜ、アメリカ・イスラエルはしつこく「核施設」攻撃や、核開発疑惑を持ち出しているのでしょうか?

「我々は核兵器を求めたことは一度もありません。国防評議会や司令官とともに、最高指導者と会談するたび、彼は核兵器は宗教的に禁じられていると断固として述べてきました。イスラム共和国のいかなる当局者も、核兵器や大量破壊兵器の開発を追求すること、あるいはその方向へ進むことさえ許されていません。(イランのペゼシュキアン大統領の談話、13分前後)

 「イランの核開発計画」には何の証拠もないことは、いわば国際的に証明されています。しかしそのことを多くの日本人は知らず、彼らのイメージや考えはー教授が言うーエプスタイン階級のメディア・プロパガンダによって形作られています。そして病的ナルシスト、利己主義の塊であるトランプやネタニヤフは、完全に腐敗したエプスタイン階級の傀儡に過ぎない・・・これらのことを知った今、私たちには何ができ、何をすべきでしょう。どうぞみなさんの考えをお聞かせください。2026.3.28

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/