ごみ問題。佐賀県の小さな広域ごみ焼却炉で火災事故が発生した、という情報が入りました(写真はカット。マーカー山本)。
みやき町でごみ処理施設の挿入口付近焼く
2015年02月23日 09時45分http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10102/159415
22日午後7時20分ごろ、三養基郡みやき町蓑原、ごみ処理施設「鳥栖・三養基西部溶融資源化センター」から出火、溶融炉に接したごみの挿入口付近約60平方メートルを焼いた。鳥栖署や同センターによると、二つある溶融炉のうち2号機にごみを挿入する装置の金属部品と中のごみなどが燃えているのを巡視中
の職員が見つけ、初期消火とともに通報した。2号機は運転を停止した。今後、運転していなかった1号機とともに安全を確認する。出火原因は調査中。24時間稼働で鳥栖市とみやき町、上峰町の家庭ごみを焼却している。
みやき町のごみ処理施設 搬入通常通り
2015年02月24日 10時13分http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10102/159415
三養基郡みやき町簑原のごみ処理施設「鳥栖・三養基西部溶融資源化センター」の火災から一夜明けた23日、施設を管理する
鳥栖・三養基西部環境施設組合(管理者・末安伸之みやき町長)は火元の炉を含む2基の溶融炉の運転を停止し安全点検に入った。ごみ搬入は通常通り受け入れる。同日午後、関係市町や地元区長らを対象に行われた説明会では、施設を運営する「日鉄住金テックスエンジ」鳥栖事業所から、火元の
炉の復旧に4日ほどかかり、運転再開は約1週間後になるとの見通しが示された。同組合は原因究明のため、消防などの専門家を交えた第三者委員会を設置、
25日に現地調査を行う。同センターは鳥栖、みやき、上峰の1市2町の家庭や事業所から可燃ごみを1日平均90~100トン受け入れている。ごみ保管ス
ペースは約1400トンの容量に対し、約700トンの空きがあり、1週間分程度のごみ搬入は可能。ただ、運転停止が長期化した場合は、神埼市や福岡県久留
米市などの近隣施設に処理を依頼するという。
装置の問題のようですが、ごみを燃やす焼却炉そのものが火事を起こしては話になりません。おそらく、鎮火するまで高濃度のダイオキシンが盛大に発生していたことでしょう。
ところで、この焼却炉の名前に聞き覚えがあり、検索したら、すぐ下↓の情報にヒットしました…思いだした。
鳥栖・三養基広域ごみ処理施設 業務委託社撤退の意向
09年めど 収益性見込めず
2007年10月2日(火)佐賀新聞 http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&blockId=654844&newsMode=article
OO九年四月以降、契約を継続しない意向を示していることが一日、分かつた。収益性の低さが理由という。施設は全国唯一の処理方式を採用しており、設備開発メーカーの同社の撤退は運転中止につながる可能性もあることから、同組合は頭を抱えている。
運転中止も、組合困惑
焼却施設は「鳥栖・三養基西部溶融資源化センター」で、約五十四億六千万円を投じて建設。住友金属が二OO二年に同センターの環境プラント事業を受注。特殊なシャフト炉型ガス化溶融炉の処理方式を採用し、O四年四月から稼働した。鳥栖市、みやき町、上峰町から搬出されたごみを一五OO度以上の高温で溶
融。道路の路盤材などに使われるスラグ(鉱さい)として再資源化を図っている。処理能力は日量百三+二トン、組合は年間約六億円で委託し、毎年契約を更新している。同社は九月中旬、組合との事務局レベルの話し合いの場で撤退の意向を正式に表明。同社が運転する一般ごみ処理施設は同センターが全国唯一で、「当初見込んでいた採算べースに乗せることが困難な状況」との説明があったという。同社は佐賀新聞社の取材に対し、「一般ごみ処理業界から手を引くことは事実だ
が、詳細についてはコメントできない」としている。
同社は契約時、導入した機械に対して、五年間の保証期間を設定。保証が切れるO九年を待つて、契約更新しない方針。これに対し、組合は同社派遣の技術要員に指導を頼っており、撤退は通常運転に支障を来しかねないことから、強く反発している。現在のところ、同社から撤退後の対応や、後継業者について具体的な提示はないという。組合は「全国で一カ所しかない特殊な処理方式の施設。無責任に投げ出すことは認められない」とし、話し合いは平行線のまま。今後は事務レベルでの協議を継続するが、難航も予想される。
「ごみは儲かる」と、重厚長大産業群が一斉に「焼却炉」に乗り出した時期がありましたが、これもそのひとつで、住金の「実験炉」のような代物だったようです(放射能をまきちらしながら運転中の、福島県・鮫川村の日立の実験炉を思い出します)。そして、自分の「製品」を投げ出してしまった住金は、2012年10月には新日鉄に吸収合併され新日鐵住金株式会社の発足について、その後、運営は新日鉄系の日鉄住金テックスエンジにまかせたのでしょう。
この焼却炉の一日当たり処理能力はわずか100トン程度(66t×2炉)、運転していなかった一つは定期点検だったのか、あるいは24時間連続運転するほどのごみが集まらなかったのか・・・人口も少なそうだし、生ゴミの徹底減量を実行すれば、そもそも焼却炉なんか不要だったかもしれません。焼却炉は原発と同じ負の遺産。そこに存在する限り(たとえ運転をやめても)、地域に悪影響を及ぼし続けます。2015.2.24