週末、近県で行なわれた「ごみ処理広域化計画」の勉強会で話をしてきました。同名の本を出版したのは、もう10年も前ですが、今でも、説明するたび、この計画のすさまじい違憲性と違法性に、私自身がショックを新たにします。
焼却炉計画、処分場計画がもちあがるところも、がれき処理を押し付けられるところも、すべて共通点がありますが、この地域も例外ではありませんでした。つまり;
●権力と直結した地元ボスがいる
●保守的なところ、特に女性が一段、低く見られている
●「慣例」「習慣」でものごとを決めている
●カネがモノをいう
なあんて。でも、地域には「負けんぞ!」という人々もいて頼もしい。今後も支援してゆきたいと思います。
ところで、新広域焼却炉の予定地を見に行ったら、隣に稼動中の焼却炉がありました。風がない、おだやかな日で、煙突からは、煙がもくもく垂直にあがっています…焼却炉周辺が一番危険な天気。なのに、焼却炉すぐそばまで住宅地がびっしり。私は現地に近づく少し手前から匂いを感じ始め、下車して数分後には喉が、続いて気道が痛くなり始めました。軽い急性炎症です。
これはまずい、と思ったけれど、資料を見たり、付近を歩き回っているうちに、痛みは耳下腺にまで広がり、あわててその場を離れました。その間、30-40分ほどでしょうか。私は決して「超敏感」というわけではなく、これは久しぶりの化学物質反応症候です。焼却排ガスの恐ろしさは、あなどれません。その後、帰りの電車でも、隣に座った人のコートにしみ込んだ防虫剤の匂いとか、女性のボディシャンプーの匂いに吐き気をもよおし、何回か席を替えました。
自宅に戻った今も、耳下腺から肩に鈍い痛みがあり、これから一週間は抜けないでしょう。うー。でも、驚いたのは、案内してくれた人々はみな何も感じないということ。体が化学物質に慣らされているのでしょうが、慣れたからいいというものではありません。ちょっと指摘されれば、その「匂い=汚染」に気づくはずなのです。
施設の隣には余熱を利用したプールがあり、夏は子どもたちでにぎわうそう。見返りがほしくて汚染施設を了承すると、子どもたちの将来を傷つけることになるのですが、計画を誘致する人々は、「カネ」と「今」しか見えていないのですね。それを変えられるのは一人一人の住民。みんな、自分の力に気づいてほしい。2012.2.21
排ガスにやられた…
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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